米国の科学政策に大きな波紋を呼んでいる。トランプ政権は2020年12月18日、全米科学委員会(National Science Board, NSB)の全22人の委員を突然解任した。解任通知は金曜日に送られた2文のメールで行われた。
委員会のメンバーには「ドナルド・J・トランプ大統領 behalf( behalfの名のもと)」で「即時解任される」との通知が届いたという。しかし、政権側からは解任理由について一切の説明がなされていない。
全米科学財団(NSF)の運営を支援する独立機関
全米科学委員会は、米国科学財団(National Science Foundation, NSF)の運営を支援する独立した諮問機関だ。大統領と議会に対し、科学技術に関する助言を行い、年間を通じて報告書を提出する役割を担っている。今回の解任劇は、NSFおよび米国の科学界にとって大きな打撃となることは間違いない。
同委員会の委員長を務めた経験もある科学政策の専門家は、「科学的独立性を脅かす行為であり、米国の科学技術の発展に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。
科学界に衝撃と懸念の声
解任のニュースは科学界に衝撃を与えている。多くの研究者や科学団体からは、政権の科学政策に対する懸念の声が上がっている。特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下で科学的助言が重要視される中、独立した科学機関の解体は大きな問題視されている。
また、米国科学アカデミーの元会長は「科学的助言機関の独立性を損なうことは、国民の信頼を失うだけでなく、科学技術の発展を阻害する」と述べ、政権の対応を批判した。
今後の展開に注目が集まる
今回の解任劇が、今後のNSFの運営や科学政策にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まっている。特に、次期政権が科学技術をどのように位置づけるのか、その動向が注視される。