米国ニューメキシコ州に位置する「モンテ・クリスト・レイ」の聖地が、トランプ前政権による国境の壁建設の対象となっている。同地には高さ約9メートルの石灰岩製イエス・キリスト像が設置されており、年間最大4万人の巡礼者が訪れる。
同州南部にあるカトリック教区「ラス・クルセス司教区」は、米国土安全保障省(DHS)から提訴された。DHSは eminent domain(土地収用権)を根拠に、同教区が所有する約5.7ヘクタールの土地を接収しようとしている。提示された補償額は18万3,071ドル(約2,500万円)とされる。
教会側の反論と信教の自由
教区側は、モンテ・クリスト・レイが毎年11月の「キリスト王の祝日」に行われる大規模な巡礼の場であると主張。巡礼者は山頂のモニュメントと景観を鑑賞し、ミサに参加する。教会側は、信教の自由を保障する米国憲法修正第1条と「宗教の自由回復法(RFRA)」を根拠に、土地の保持を主張している。
国境壁建設を巡る対立の拡大
トランプ前政権は、テキサス州西部の国立公園や州立公園において、土地所有者の反対により建設が遅延したり、完成した壁が撤去されたりする事態に直面。しかし、政権側は「土地所有者に選択肢はほとんどない」とし、同意が得られない場合は eminent domain を行使すると通告していた。
今回の提訴は、こうした強硬姿勢の一環とみられる。DHSと教区双方は、取材に対し即時のコメントを控えている。
出典:
Axios