米国では、トランプ政権が発表した新たな家賃補助資格の基準見直しにより、最大数百万人が住宅補助プログラムから排除されるリスクが生じている。この政策は、特に低所得世帯や高齢者、障害者などの脆弱層に大きな打撃を与えると専門家らは指摘する。
同政策は、家賃補助を受けるための所得制限を厳格化するほか、資産審査の強化や定期的な再審査の義務化などを含む。これにより、現在支援を受けている世帯でも、基準を満たせなくなるケースが相次ぐと懸念されている。
影響を受ける主な対象層
- 低所得世帯:収入がわずかに基準を上回る世帯が支援対象から外れる可能性
- 高齢者・障害者:固定収入や医療費の負担により、基準を満たせなくなるケースが多発
- シングルマザー世帯:子育てにかかる費用が負担となり、支援資格を失うリスク
- 地方在住者:都市部と比較して収入が低い傾向にあり、影響がより深刻化
専門家からの警告
住宅政策の専門家であるマリア・ハートマン博士は、「この政策は、すでに住宅難に直面している人々にさらなる困難を強いるものだ。特に地方では、代替となる住宅支援策が不足しており、深刻な住宅危機に陥る可能性がある」と指摘する。
また、全米低所得者住宅連合(NHC)の報告書によれば、この政策により、2025年末までに約250万人が家賃補助を失う可能性があると試算されている。同連合は、政府に対し政策の見直しを求める声明を発表した。
地方自治体の対応状況
一部の州や自治体では、独自の住宅支援プログラムを拡充する動きが見られる。例えば、カリフォルニア州では、州独自の補助金制度を創設し、連邦政府の支援を失う世帯を支援する方針を示した。しかし、こうした取り組みはまだ限定的であり、全米的な対策には至っていないのが現状だ。
「連邦政府の政策変更は、地方自治体の負担を増大させるだけでなく、住宅問題の解決をさらに困難にする。早急な見直しが必要だ」
— 全米市長会議(USCM)会長、エリック・アダムスニューヨーク市長
今後の展望と求められる対策
専門家らは、以下のような対策を提言している。
- 基準の段階的な導入:直ちに基準を厳格化するのではなく、段階的に実施することで影響を緩和
- 地方自治体への財政支援:州や自治体が独自の支援策を講じやすくするための資金提供
- 代替支援策の拡充:公営住宅の増設や民間賃貸への補助金制度の強化
- 住民への周知徹底:政策変更の内容や申請方法について、十分な情報提供を行う
出典:
The New Republic