トランプ氏、IRSへの100億ドル訴訟を取り下げ
トランプ前米大統領は、2019年に自身の納税申告書が流出した問題を巡り、米国歳入庁(IRS)に対して起こしていた100億ドルの訴訟を取り下げる一方で、新たに17億ドルの「政治利用」基金を設置するようIRSに要求した。同基金は、バイデン政権により不当に標的にされたと主張する支持者たちに資金を配分する目的で創設される見通しだ。
トランプ氏の弁護士は声明で、「IRSは、トランプ大統領や家族、トランプ・オーガナイゼーションの機密情報を無断でリークし、ニューヨーク・タイムズやプロパブリカなど左派メディアを通じて数百万人に拡散させた。これは明らかな違法行為だ」と主張した。その上で、「トランプ大統領は、米国とアメリカ国民に害を与えた者たちに責任を追及し続ける」と述べた。
「金策」との指摘も
この訴訟は、トランプ氏自身が「見た目が悪い」と認めるなど、実質的には金策の一環との見方が強い。昨年、トランプ氏は「自分で決済することになるので、奇妙な話だ」と発言していた。実際、訴訟を取り下げることで、IRSを通じた自身への支払いを防ぐ一方で、超党派行動委員会(スーパーPAC)を通じて同基金から資金を受け取る道が残されている。
基金の運用に関する懸念
新設される17億ドルの基金は、1月6日の議事堂襲撃事件の関与者を含む極右勢力や政治的同盟者に資金が配分される可能性がある。また、トランプ氏は基金の委員会メンバーを自由に任命・解任できるため、事実上の「お手盛り」状態となる懸念も指摘されている。
「これは、トランプ氏にとっても常軌を逸した腐敗のレベルだ。17億ドルの不正資金プールを、トランプ氏が指名した手先どもに、1月6日の暴徒や政治的同盟者に金をばらまかせるためのものだ。大統領の優先事項が、ガソリンや食料品を買うために自分の血液を売らなければならないアメリカ国民の現状とは対照的だ」
エリザベス・ウォーレン上院議員(X投稿)
ウォーレン議員は、同基金が「トランプ氏の私的な金庫」と化す可能性を強く批判した。