米イラン交渉が決裂、トランプ氏の世論操作が露呈
米国とイランの和平交渉は、緊迫した週末を経て再び暗礁に乗り上げた。二週間の停戦期限が迫る中、両国は新たな和平合意に向けて最終調整を進めていたが、米国によるイラン船舶拿捕をきっかけに交渉は決裂した。
トランプ氏、独自の世論調査で「支持率90%」と主張
交渉決裂後、トランプ前大統領は自身のSNS「Truth Social」で、親トランプ系世論調査会社のデータを引用し、「米国民はイラン攻撃を圧倒的に支持している」と主張。しかし、実際の世論は真逆の状況だった。
トランプ氏は「イスラエルがイラン戦争をけしかけた」との報道を否定しつつ、自身の主張を展開した。
「イスラエルがイランとの戦争をけしかけたことはない。10月7日の結果と、イランが核兵器を保有してはならないという私の長年の信念が、この決断を後押しした。
FAKE NEWSや操作された世論調査を信じられない。90%は嘘で作り話だ。2020年の大統領選と同じように、世論調査も操作されている。ベネズエラの選挙結果と同様、イランの選挙結果も素晴らしいものになるだろう」
さらにトランプ氏は、イランの体制転換を示唆し、「イランの新指導者が賢明であれば、将来的に繁栄を享受できる」と主張した。
イスラエルの影響力が米国の戦争意思を左右
米国のイラン攻撃は、2月11日にホワイトハウスの Situation Room で行われたトランプ前大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、米イスラエル高官らによる極秘会談を経て決定された。ニューヨーク・タイムズによると、ネタニヤフ首相の直接的な影響力が、米国を戦争に引きずり込む要因となった。
米軍高官らはネタニヤフ首相の攻撃計画が「荒唐無稽」だと指摘したが、トランプ氏は既にテヘランの神権体制打倒に意欲を燃やしていた。ネタニヤフ首相の発言力は現在も強く、トランプ氏は先月イスラエル紙に対し、「イラン戦争の終結はイスラエル首相との相談で決める」と発言していた。
戦争の実態:犠牲者と経済的損失が拡大
米イスラエル両国による攻撃で、数千人のイラン市民が死亡し、インフラが壊滅的な被害を受けた。米国側でも13人の兵士が死亡。世界的な物価高騰を招いたほか、米国と西側同盟国との関係悪化、500億ドル超の税金投入、米国内でのMAGAイデオロギーの拒絶反応など、多大な代償を払う結果となった。
トランプ前政権はイランの核能力排除を戦争の主目的としていたが、現在の戦況評価は昨年の主張と矛盾が生じている。昨年6月22日にはイランの核関連施設3カ所(フォルド、ナタンズ、イスファハン)への攻撃を命じたが、その効果については疑問視されている。
戦争の経緯と今後の展望
- 2月11日:米イスラエル高官による極秘会談で戦争計画が策定
- 6月22日:米国によるイラン核施設への攻撃実施
- 現在:和平交渉決裂、戦況悪化、国際的非難の高まり