米国時間5月17日、ビットコインは78,000ドル台で堅調を維持した。原油価格が100ドルを超える中、暗号資産市場が4月の反発を維持できるかが試された。米国とイランの緊張が続く中、ホルムズ海峡を巡る発言がエネルギー市場に大きな影響を与えている。

トランプ前大統領はTruth Socialで、米海軍がホルムズ海峡を「完全に支配」しており、米国の承認なしに船舶が通行できないと発言。さらに、機雷を敷設するイランのボートを破壊するよう海軍に命令した。この発言により、中東の重要なエネルギー輸送ルートが長期的に封鎖されるリスクが高まった。

原油市場では、ブレント原油が107ドル台、WTIが97ドル台まで上昇。WTIは週足で17%を超える上昇を記録し、停滞する和平交渉やタンカー拿捕、ホルムズ海峡の封鎖が供給不安を深めている。一方、ビットコインは78,300ドルまで上昇し、4月の回復局面で約15%の上昇を記録した。

しかし、米ドル高や実質利回りの上昇といったリスク要因も存在。米ドル指数が上昇し、米株式市場が下落する中、インフレ圧力がFRBの金融政策に与える影響が懸念される。こうした状況下で、ビットコインはインフレヘッジ資産としての地位を再び問われている。

ホルムズ海峡の封鎖が原油とビットコインに与える影響

戦争前、ホルムズ海峡を通過する原油・石油製品は1日当たり約2,000万バレルに上った。しかし、イランが通行権を要求し、米国がイランの海上貿易を阻止する中、海上輸送は大幅に減少。これにより、物理的な供給制約が市場に大きな影響を与えている。

トランプ氏の発言は、この物理的な供給制約をさらに強化するものだ。原油価格が100ドルを超えることで、過去のエネルギーショックを思い起こさせ、中央銀行が金融政策を引き締めざるを得なくなる可能性が高まる。一方で、ビットコインにとっては、インフレヘッジとしての需要が高まる可能性もある。

しかし、原油価格の上昇は米ドル高を招き、株式市場のバリュエーション圧迫やリスク資産の流動性低下を引き起こすリスクもある。ビットコインはこうした相反する要因の中で、78,000ドル台を維持している。

デリバティブ市場がビットコインの上昇をけん引

今回のビットコインの上昇をけん引したのは、デリバティブ市場の動きだ。CryptoQuantのデータによると、先物取引が活発化し、ビットコインの価格を下支えしている。投資家は、米ドルや株式市場の不安定さを背景に、ビットコインをリスクヘッジ資産として再評価しつつある。

今後、ビットコインが80,000ドルの節目を突破できるかは、原油価格の動向と米ドルの強弱、FRBの金融政策に左右される。市場関係者は、原油価格の上昇がインフレを加速させる一方で、米ドル高がビットコインの上値を抑制する可能性に注意を払っている。