カナダ出身のラッパー、ドレイクが5月15日にリリースしたアルバム「Iceman」に収録された新曲「Dust」が、暗号資産業界のスキャンダルとの関連で注目を集めている。同曲でドレイクは、FTX創業者のサム・バンクマン=フリード(SBF)を「仲間の一人」と呼び、刑務所からの釈放を求めるメッセージを発信した。
「FTXの高層ペントハウスに住む高利回り投資家、サム・バンクマン、俺の仲間を全員釈放しろ」という歌詞が話題を呼んでいる。このフレーズは、ヒップホップ界で一般的な仲間への連帯を示す表現であり、同時に「Dust」という曲の攻撃的なメッセージ性を反映している。
アルバム「Iceman」は、ドレイクの成功と優位性を強調する内容で、ライバルを「過去の栄光にしがみつく古い存在」と揶揄する内容となっている。曲中では「Go blow the dust off your plaques(過去の栄光の埃を払え)」というフレーズが繰り返される。ミュージックビデオでは、子供じみた警察車両レースのシーンが描かれ、ドレイクの遊び心あふれるキャラクターが表現されている。
また、ドレイクは自身を「BTC(ビットコイン)の大物」と称し、暗号資産とビットコインの違いを理解していないことを露呈した。さらに、オーストラリアのメルボルンのタイムゾーンや完売コンサート、バハマでの贅沢な生活(高級葉巻や高層ペントハウス)を引き合いに出し、自身のグローバルな活躍をアピールした。なお、SBFはバハマの高級住宅地アルバニーにあった高層ペントハウスに居住していたことで知られる。
「悪魔は一生懸命働くが、SBFの赦免を求める方がもっと大変だ」
— Psycho (@AltcoinPsycho) 2026年5月15日
SBFの刑務所生活と背景
SBFは現在、カリフォルニア州の連邦刑務所(FCI Lompoc)で25年の刑期を務めている。2023年11月に7つの詐欺と共謀の罪で有罪判決を受け、2024年3月に判事のルイス・カプランによって刑が確定した。その後の控訴も却下されている。FTX顧客から80億ドル以上を横領し、プライベート企業のアラメダ・リサーチに流用したとされ、米国史上最大級の金融詐欺の一つとされている。
SBFは現在、唯一の出所手段であるドナルド・トランプ前大統領による赦免を求め、ソーシャルメディアで積極的にアピールを続けている。しかし、この動きに対しては共和党・民主党双方から反対の声が上がっている。
ドレイクと暗号資産業界の関係
ドレイクは、イギリスで禁止された暗号カジノ「Stake.com」と提携し、年間数千万ドル規模の報酬を受け取っていることで知られる。同カジノは、Twitchからも排除されており、ドレイクのInstagramプロフィールでは、レコードレーベルやファッションブランドよりも上位に掲載されている。