米国のソフトウェア大手パランティアが、突如としてファッション業界に参入し、物議を醸している。同社の戦略担当責任者であるエリアノ・A・ユーネス氏が4月21日、X(旧Twitter)に「軽量パランティアチャコート」の画像を投稿。同氏は、このコートが100%コットン製で米国製であり、4月30日に発売されると説明した。

しかし、この投稿は多くの反響を呼び、パランティアのブランドイメージとの乖離が注目を集めた。同社は軍事や移民政策に関わるソフトウェアを手掛ける企業として知られており、今回のファッション展開は「監視技術企業がなぜファッションに手を出すのか」といった疑問や批判を招いている。

米国産でないデザインに批判集中

ユーネス氏の投稿に対し、Xユーザーからは以下のような批判が寄せられた。

  • 「米国の伝統的なチャコートはデニムやダックキャンバス製で、4ポケットが一般的。フランス風の3ポケットデザインは、米国の歴史や文化を無視している」
  • 「パランティアは米国を称賛する企業だが、なぜフランスの伝統的なデザインを採用したのか。米国の象徴であるチャコートを知らないのか?」

これに対し、ユーネス氏は「パランティアは米国の擁護者であると同時に、フランスを含む同盟国も支援している」と反論。また、コートのデザインについて「シンプルで機能的な3ポケット構造にしたのは、コストを抑えつつ実用性を重視したため」と説明した。

パランティアのファッション参入の背景

パランティアは、米軍やICE(移民・関税執行局)との取引で知られる企業であり、これまでも倫理的な問題や監視技術への関与を巡って批判を受けてきた。同社は最近、ニコラス・W・ザミスカとCEOのアレックス・カルプによる著書『The Technological Republic』の要点をまとめた22項目のマニフェストをXに投稿し、再び議論を呼んでいる。

今回のファッション展開についても、「監視技術企業がファッションブランドを始めるのか?」といった懐疑的な声が上がっている。ファッションジャーナリストのクロエ・アイリス・ケネディ氏は、2025年12月に「ロッキード・マーティンがストリートウェア市場に参入した際、『2000年代初頭の迷彩柄は西側諸国の戦争を正当化するためにファッションに取り入れられた』」と指摘していたが、今回のパランティアの動きにも同様の批判が寄せられている。

「パランティアは監視技術企業としてのイメージと、ファッションブランドとしてのイメージの乖離が際立っている。果たしてこれは単なるマーケティング戦略なのか、それとも新たなビジネスモデルの模索なのか」
— ファッション業界関係者のコメント

パランティアがファッション業界に本格参入するのか、それとも一時的なプロモーションに過ぎないのか、今後の動向が注目される。