暗号資産(仮想通貨)の代表格であるビットコインは、4月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、8万ドル(約1,100万円)台への上昇を目指す展開となっている。投資会社デジタル・ウェルス・パートナーズのCEO、マックス・カーン氏は、DLニュースの取材に対し、マクロ経済の好転と機関投資家の安定した需要がビットコインの追い風になると語った。
カーン氏は、8万ドルを「FRBの金融政策決定前に抵抗線や利益確定売りが発生する可能性のある重要な水準」と位置付けた。カーン氏の見解は、トランプ大統領が指名したFRB議長候補ケビン・ウォーシュ氏の聴聞会に対する投資家の注目が高まる中で示されたものだ。
ウォーシュ氏聴聞会で浮き彫りにされたFRBの独立性への懸念
3月12日に行われた上院銀行委員会の聴聞会で、ウォーシュ氏はFRBの今後の金融政策について厳しい追及を受けた。56歳の元FRB理事であるウォーシュ氏は、トランプ大統領が主張する「金利が高すぎる」との見解に同調するかどうかを直接尋ねられても、明確な回答は示さなかった。また、議員からは「大統領が金利引き下げを求めたか」との質問もあったが、ウォーシュ氏は「大統領から金利決定を事前に約束するよう求められたことはない」と回答した。
しかし、議員らはウォーシュ氏のFRB独立性に対する疑念を示した。民主党のエリザベス・ウォーレン議員は「大統領はFRBの独立性を望んでおらず、『私に反対する者はFRB議長にはなれない』と発言しています。さらに先週、『ケビンが議長になれば金利は下がる』と述べています」と指摘した。
トランプ大統領は、自身の外交政策の混乱が招いたマクロ経済の脆弱性を理由に、FRB議長ジェローム・パウエル氏の金利引き下げに対する消極的な姿勢にたびたび不満を表明してきた。パウエル議長の任期は5月15日に終了するが、再任されるかどうかは未定だ。
ウォーシュ氏が示したFRB改革の方向性
聴聞会でウォーシュ氏は、FRBの改革に意欲を示した。具体的には、FRBのバランスシートの縮小や、インフレ測定方法の見直し、政策会合の頻度やコミュニケーション方法の改善などを挙げた。これらの発言は、FRBの金融政策の透明性向上と独立性強化を目指すものと受け止められている。
ビットコイン市場への影響
アナリストらは、FRBの金融政策がビットコインなどのリスク資産に与える影響の大きさを指摘する。一般的に、金利の引き下げはリスク資産にとって追い風となる。Acheron Tradingのヘッド・オブ・クオンツ・トレーディング、ジョナサン・ヤーク氏は「リスク資産は年末にかけてパフォーマンスが期待されており、ビットコインは準準備資産としてその流れに合致している」と述べた。
FRBの金融政策は、ビットコインの価格動向に大きな影響を与えることが予想される。投資家らは、ウォーシュ氏の発言やFRBの動向を注視し、ビットコインの8万ドル到達の可能性を模索している。