米ファストフード大手ヤム・ブランズ(Yum Brands)は、2026年上半期までに250店舗のピザハットを閉鎖する計画を実行に移している。同社の発表から3カ月が経過したが、全米各地で50以上の店舗が閉店しており、その実態が明らかになってきた。
米メディア「Fast Company」の分析によると、地元メディアの報道や口コミサイト(Yelp、Googleレビュー)、ピザハットの店舗検索ツールを調査した結果、複数の州で閉店が確認された。実数はさらに多いとみられている。
ヤム・ブランズのCFO、ラニス・ロイ氏は2月の決算発表で、対象店舗の閉鎖は7月1日までに完了する見込みと述べた。閉鎖は「Hut Forward」と呼ばれる再建計画の一環で、マーケティング支援や一部店舗の技術革新も含まれる。ただし、具体的な閉鎖対象店舗のリストは公表されていない。
ヤム・ブランズはピザハットのグローバル展開を拡大しており、昨年は65カ国で1,184店舗を新規出店した。しかし、米国の売上比率は縮小傾向にあり、昨年末時点で40%だったのに対し、4年前は43%だった。一方、中国の売上比率は16%から19%に成長している。
同社はKFCやタコベルも傘下に持ち、株式(NYSE: YUM)は2026年に入ってからS&P 500を上回るパフォーマンスを記録。1月時点で約5%の上昇となっている。
ピザハットの将来戦略に注目
2025年11月、ヤム・ブランズはピザハットの戦略的見直しを発表し、最終的には売却も視野に入れている可能性が示唆された。同社は今週水曜日に次回の決算を発表する予定で、投資家はその発表に注目している。
その間も、ピザハットの店舗は全米各地で相次いで閉店している。特にカリフォルニア、ペンシルベニア、オハイオ州では影響が大きいとみられる。中には、モンタナ州ディロンのピザハットのように、その地域で唯一の店舗が閉店したケースも報告されている。
閉店した一部の店舗では、電話番号が他の事業者に転用されている実態も明らかになっている。例えば、ペンシルベニア州エリザベスタウンのピザハットは、閉店後にドミノ・ピザのローカル店舗の番号に転送されているという。
SEC(米証券取引委員会)の2025年12月時点の資料によると、ピザハットは全世界で約2万店舗を展開しており、そのうち68%が海外にある。また、ピザハット部門の店舗の99%以上がフランチャイズ方式で運営されている。
閉店が確認されたピザハット店舗(一部抜粋)
ヤム・ブランズは「Hut Forward」計画の詳細な閉鎖リストを公表していないが、Fast Companyの調査で確認された閉店店舗の一部を以下に示す。
- カリフォルニア州:ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンノゼなど複数店舗
- ペンシルベニア州:フィラデルフィア、ピッツバーグ、エリザベスタウン
- オハイオ州:クリーブランド、コロンバス
- テキサス州:ダラス、ヒューストン
- モンタナ州:ディロン(地域唯一の店舗)
- ニューヨーク州:ニューヨーク市内複数店舗
- イリノイ州:シカゴ
- ジョージア州:アトランタ
閉店の動向は今後も拡大する見込みで、フランチャイズ加盟店の再編が進むとみられる。