イタリア・アレーゼにあるアルファロメオミュージアムで開催中の「ブロードアロー・グローバルイコン」オークション。同社が手掛けるグローバルなセールスイベントで、クラシックレースカーから最新のスーパーカーまで、多彩なラインナップが並ぶ。テーマは特に設けられておらず、いずれの車も「退屈なものは一切ない」と評される個性的なモデルばかりだ。
オンライン開催となる同オークションは、2026年5月11日から18日まで行われる。現在、出品車両はすべて出品中となっている。中でも注目を集める4台の名車を紹介する。
1977年式フィアット131アバルト ラリー グループ4(ロット118)
イタリアの自動車メーカー・フィアットは、1970年代にWRC(世界ラリー選手権)で名を馳せた。その象徴となったのが、131アバルトだ。一見すると「 ekonomi car(エコノミーカー)」にも見えるが、実際の131アバルトは、市販のフィアット131とはまったくの別物だった。
米国では「ブラーバ」として販売された131は、家庭用の安価なセダンとして知られていた。しかし、131アバルトはその名を借りただけで、外観のシルエットを除けば、ほとんど共通点はなかった。WRC仕様の131アバルトには、独立懸架システム、ボディキット、2.0L直列4気筒エンジンに双子のウェーバーキャブレターを搭載するなど、数々の改造が施されていた。
1976年にレースデビューを果たした131アバルトは、その後5年間で20勝を挙げ、ヴァルター・レールやミシェル・ムートンといった名ドライバーの手によって輝かしい成績を残した。ホモロゲーション用に400台が生産されたこのモデルのうち、ブロードアローが出品する個体は、工場供給のキットを用いて組み立てられたものだ。1980年代半ばまでイタリア各地のヒルクライムレースで活躍し、1990年代から2000年代にかけても歴史的レースに出場。そのレース歴は詳細に記録されている。また、所有歴も比較的追跡しやすく、2006年まで初代オーナーが所有していた。
ブロードアローは、この131アバルトの落札予想価格を15万〜17万5,000ユーロ(約1,760万〜2,050万円)としている。
1987年式アルファロメオ90(ロット103)
米国では「ミラノ」の名で販売されたアルファロメオだが、1984年に発表された90は、その後継モデルである164への橋渡し的存在だった。欧州名「75」として販売されたミラノよりも上位に位置づけられ、BMW 5シリーズに対抗するモデルとして開発された。
アルフェッタとプラットフォームを共有する90は、リアミッドシップレイアウトと後輪駆動を採用していた。イタリア国内でも状態の良い90を見つけるのは容易ではなく、生産台数が少なく、現存台数も限られている。ブロードアローが出品する個体は、最終年モデルであり、3.0L V6エンジンへの換装、サスペンションのローダウンなど、パフォーマンス志向の改造が施されている。
2013年式ポルシェ911 GT3 RS 4.0(ロット109)
限定生産モデルとして知られるポルシェ911 GT3 RS。その中でも特に希少なモデルが、2013年に発表された4.0Lエンジン搭載のGT3 RS 4.0だ。自然吸気の4.0Lフラット6エンジンは、9,000rpmまで回り、最高出力は500馬力を発揮する。このエンジンは、当時のレーシングカー用エンジンを基に開発されたもので、市販車としては極めて珍しい存在となった。
911 GT3 RS 4.0は、世界でわずか600台しか生産されなかった。そのうちの1台が、ブロードアローのオークションに出品されている。このモデルは、サーキット走行を前提とした設計が施されており、レースシーンでも高い評価を得ていた。落札予想価格は120万〜150万ユーロ(約1億4,000万〜1億7,500万円)と見込まれている。
1995年式ランチア・デルタ HF インテグラーレ Evoluzione II(ロット112)
ランチア・デルタ HF インテグラーレは、1980年代から1990年代にかけてWRCで活躍した名車だ。その中でも、1995年に発表されたEvoluzione IIは、最後の進化形として知られる。4WDシステムと1.8Lターボエンジンを搭載し、WRCで数々の勝利を収めた実績を持つ。
ブロードアローが出品する個体は、レーシング仕様に近い状態にレストアされており、オリジナルのレースカーに匹敵する走りを見せる。所有歴も明確で、コレクターの間で高い評価を得ている。落札予想価格は8万〜12万ユーロ(約940万〜1,410万円)とされている。
今回のブロードアロー・グローバルイコン・オークションでは、この他にも多くの注目車両が出品されている。オンライン開催のため、世界中のバイヤーが参加できるのが魅力だ。あなたが注目する車はどれだろうか。