イタリア・コモ湖に面したヴィラ・デステで開催された「2026年コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」にて、イタリアのカーデザインスタジオ「カプローン(Capricorn)」が開発した特別注文のスーパーカー「Tutto Rosso」が世界初公開された。
この「Tutto Rosso」は、車体の95%が鮮やかな赤色で統一されており、その圧倒的な存在感で注目を集めた。同車は、カプローンが手掛ける「01 Zagato」の開発プログラムにおける3台目の検証用プロトタイプであり、2026年後半の生産開始を目指している。
「赤」へのこだわりは車体だけにとどまらず
「Tutto Rosso」の「赤」へのこだわりは、ボディだけでなく、ホイール、車内、さらには機械的な部品にまで及ぶ。内装には赤のコノリー本革と赤のアルカンターラが使用されており、ペダルやマニュアルシフトレバー、アナログメーターの文字盤、ステアリングホイールの一部のトリムを除くほとんどの部分が赤で統一されている。
特に注目すべきは、カーボンファイバー製モノコックへの赤色の採用だ。カプローンのデュッセルドルフ拠点のエンジニアリングチームは、モノコックの強度を損なうことなく赤色を浸透させるために、赤みを帯びた樹脂を開発。これにより、構造体そのものが「赤」を纏うこととなった。
エンジンはフォード由来のスーパーチャージャーV8
「Tutto Rosso」の心臓部には、5.2リットルスーパーチャージャーV8エンジンが搭載されている。このエンジンは、フォードの5.0リットルブロックをベースに開発され、888馬力(662kW / 900PS)と1,000Nm(738lb-ft)のトルクを発生。5速シーケンシャルマニュアルトランスミッション(CIMA製)を介して後輪に送り込まれる。
車両重量は1,200kg未満に抑えられており、0-100km/h加速3秒未満、最高速度360km/hを実現するという。エンジンルーム内の高温にさらされる部品は、耐久性を考慮して黒色に塗装されている。
生産台数は19台限定、価格は343万ドルから
「Tutto Rosso」は、カプローンの「01 Zagato」プロジェクトにおける3台目の検証用プロトタイプであり、今後実施される技術的な改良が、量産モデルに反映される予定だ。5月16日にヴィラ・デステで初公開された後、さらなるテストとキャリブレーションが行われる。
「01 Zagato」の生産台数は、ザガト社の設立年である1919年にちなんで19台に限定される。価格は税抜きで295万ユーロ(約343万ドル)からと発表されており、すでに数台分の受注枠が残されている状況だ。
1930年代のレーシングカーにインスパイアされたデザイン
「今回のTutto Rossoのデザインは、1930年代のレーシングカー、特に1931年のアルファロメオ6C(ザガトがボディを手掛けたモデル)にインスパイアされている」
— カプローン公式発表資料より
ザガトの伝統的なデザイン要素と最新の技術が融合した「Tutto Rosso」は、今後さらなる注目を集めることが予想される。