米ユタ州で実施された、医師の監督なしにAIシステムが処方箋を自動更新する実験的プログラムが、医療関係者からの反発を受けている。州医療免許委員会は11月15日、このプログラムについて医師団体に事前相談がなかったとして、州政府に対し即時中止を要請する声明を発表した。
「医療委員会への相談なしにこの合意を進めることは、ユタ州民の安全を脅かす可能性があり、委員会にとって大きな懸念事項だ」と委員会は述べ、「プログラムはさらなる協議が行われるまで、即時中止されるべきだ」と強く勧告した。
このプログラムは、AI医療スタートアップ「Doctronic」と提携し、州当局が2024年半ばに開始したもの。AIが患者の処方履歴を分析し、医師の確認なしに処方更新を行う仕組みで、州内の医療機関で導入が進められていた。
しかし、医師団体からは「医療の質が低下するリスク」や「患者の安全性が損なわれる可能性」について懸念が示されていた。特に、慢性疾患患者の処方管理において、AIの判断が適切でない場合のリスクが指摘されている。
委員会は声明で、「AIによる処方更新は、医師の専門的判断に代わるものではない」と強調。医療行為における人間の関与の重要性を改めて訴えた。
今後、州政府と医療委員会、Doctronic社との間で協議が行われる見通しだが、プログラムの再開には厳格な安全基準の策定が求められる可能性が高い。
出典:
STAT News