新作ミュージカル「ロストボーイズ」がブロードウェイのパレス劇場で開幕したが、その評価は厳しい。50年以上前に上演された「ロッキー・ホラー・ショー」のフランク・N・フルターが、吸血鬼の同性愛をいち早く表現したように、ドラキュラにも同性愛的なサブテキストが存在していた。しかし、新作「ロストボーイズ」はその伝統を引き継げず、時代遅れの演出に終わっている。

フランク・N・フルターが示した吸血鬼の新たな可能性

「ロッキー・ホラー・ショー」のフランク・N・フルターは、吸血鬼という存在を単なる恐怖の象徴から解放し、同性愛の象徴へと変えた。ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」(1897年)にも、ドラキュラ伯爵がジョナサン・ハーカーに対して同性愛的な魅力を感じるというサブテキストが存在していた。ドラキュラ城に住む3人の女性吸血鬼も、伯爵のカムフラージュに過ぎなかった。フランク・N・フルターは、異性愛の仮面を捨て、恋人 Rocky を作り、Janet を介して Brad を誘惑した。このようなフランクの存在は、吸血鬼の新たなイメージを創造したのだ。

「ロストボーイズ」の問題点

そんな中、新作「ロストボーイズ」が開幕したが、その評価は芳しくない。数日前に「ロッキー・ホラー・ショー」の新作がブロードウェイで開幕し、その勢いに押されてしまった。新作「ロストボーイズ」は、2人の主役吸血鬼を据えているが、そのストーリーは1987年の映画版を忠実に再現している。そのため、映画を知らない観客にとっては、ストーリーの大きな秘密が明かされてしまう可能性がある。

ミュージカル版では、吸血鬼のリーダーである David(Ali Louis Bourzgui)が、映画版のキーファー・サザーランドにそっくりな外見で登場する。彼は3人の男性吸血鬼と共にロックバンドを結成し、廃工場で共同生活を送っている。しかし、脚本家の David Hornsby と Chris Hoch は、David にあごひげをつけ、彼が Star(Maria Wirries)と結婚しているように見せかけている。David は Star を Michael(LJ Benet)という新しい男と関係を持たせようとする。Michael は母親 Lucy(Shoshana Bean)と弟 Sam(Benjamin Pajak)と共に、暴力的な父親から逃れてこの町にやってきた。

家族の絆が支えるミュージカルの魅力

ミュージカル版の良いアイデアの一つは、この3人家族が暴力的な父親から逃れてきたという設定だ。父親はマイケルの悪夢に登場し、家族の恐怖と孤独がミュージカルのベストソングを生み出している。マイケルは「Belong to Someone」を歌い、吸血鬼のグループに加わうかどうかを悩む。母親の Lucy は「Wild」を歌い、暴力的な元夫との生活を振り返る。Benet と Bean の歌声は素晴らしく、特に The Rescues が手掛けたこれらの曲は聴き応えがある。The Rescues はロサンゼルスのロックバンドで、これまで「グレイズ・アナトミー」などのテレビシリーズの音楽も手掛けてきた。

曲の出来不出来

しかし、The Rescues の曲には素晴らしいものとそうでないものがある。Star のソロ曲「War」は、女性パワー・バラードとして押し出されているが、その内容は「戦争」の宣言に過ぎない。Wirries が演じる Star は、町で最も退屈な存在であり、Benet が演じる Michael にふさわしいキャラクターではない。Michael は怒りから不安まで、幅広い感情を表現しているが、ショー全体の完成度は低い。

結論:時代遅れの演出に終わる

「ロストボーイズ」は、吸血鬼ミュージカルの新たな可能性を示すことができなかった。フランク・N・フルターが「ロッキー・ホラー・ショー」で示したような革新性や魅力が欠けている。そのため、観客にとっては残念な結果に終わっている。

出典: The Wrap