米国時間10月14日、暗号資産関連銘柄が急騰した。背景にあるのは、議会で数か月間停滞していた米国の暗号資産規制法案「CLARITY Act」で、重要なステーブルコイン規制に関する合意が成立したことだ。
同法案は、「ブロックチェーンを価値の基盤とするデジタル資産」と定義されるデジタル商品に対する規制枠組みを整備。米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)に暗号資産の規制権限を与える内容となっている。上院では今月下旬に同法案のマーキング(修正審議)が予定されている。
発表直後、Circle Internet Group(CRCL)の株価は18%超上昇し、Coinbase Global(COIN)も7%の急騰を記録した。Coinbaseは米国ドル連動ステーブルコイン「USDC」の発行元であるCircleの流通パートナーでもある。
同法案をめぐっては、銀行業界と暗号資産業界の間で数か月にわたる交渉が行われてきた。最終的に、共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州)と民主党のアンジェラ・アルソプロークス上院議員(メリーランド州)が超党派での妥協案をまとめ、10月11日に合意に至った。同合意では、ステーブルコインの利回り付与や報酬提供を制限する一方で、取引やステーキングに基づく報酬は認める内容となっている。報道はPunchbowl Newsが先行した。
問題となっていたのは、ステーブルコイン発行業者が利回り付与型の商品や報酬を提供できるかどうかだ。伝統的な銀行預金から資金を引き離す可能性があるとの懸念から、銀行業界は規制強化を求めていた。一方で、Coinbaseなどの暗号資産企業は競争力維持のために何らかの報酬提供が必要だと主張していた。
最終合意では、ステーブルコイン預金に対する利回りの支払いは銀行のみに認められ、暗号資産企業は取引、トランザクション、ステーキングに紐づく報酬の提供が可能となった。Coinbaseの政策最高責任者ファリアル・シルザド氏はX(旧Twitter)で「最終的に銀行は報酬に対する規制を強化したが、米国市民が暗号資産プラットフォームの実使用に基づく報酬を得る能力は守られた」と述べた。同社CEOのブライアン・アームストロング氏も「マーキングを実施せよ」と投稿した。
また、米国の暗号資産規制強化は、ドナルド・トランプ大統領の第二期政権における優先課題の一つとなっている。トランプ氏は暗号資産に友好的な政策を推進しているが、その背景には自身や家族の暗号資産投資との利益相反の可能性を指摘する声も上がっている。