トランプ政権の移民政策が国民の反感を買う

米国の移民政策は、かつてトランプ前大統領の選挙公約の中核を担い、2016年と2024年の勝利を支えた。しかし現在、同政権が実際に実施した強硬策の多くが国民から反発を招いている。最新の世論調査によると、米国民の移民に対する意識は大きく変化し、トランプ政権が強化した移民・関税執行局(ICE)の廃止を求める声が約半数に上っている。

移民そのものは肯定的に捉える人が増加

米国民の移民政策に対する本音を探るため、今回の選挙に向けた両党の動向を分析した。ガロップの調査では、2024年から2025年にかけて「移民を減らすべき」と答えた人の割合が55%から30%に急落。一方で「移民は米国にとって良いこと」と答えた人は79%に達し、トランプ政権の強硬策が逆に国民の意識を変化させた可能性が示唆されている。

専門家が指摘する「根本的な問題」

「トランプ氏の移民法執行は確かに新しい試みだが、現在の問題の多くは、はるか昔の大統領時代から続くシステムの歪みに起因している」
─ キャトリン・ディッカーソン(The Atlantic記者、ピュリッツァー賞受賞)

「2024年の選挙運動では、国境の安全保障に対する懸念が大きな議論となった。しかし、アリゾナ州ツーソン地域での取材を通じて、その実態はより具体的で切実な問題であることが分かった」
─ ヤナ・クチノフ(アリゾナ・ルミナリア記者、Report for Americaメンバー)

選挙への影響:ラティーノ票の流出と民主党の巻き返し

移民政策を巡る世論の変化は、すでに2025年の中間選挙に影響を及ぼしている。トランプ政権発足後、ラティーノ有権者からの支持率が急落。民主党はニュージャージー州などの特別選挙で勝利を収め、この流れを活用しつつある。しかし、最大の試練は2026年の本格的な選挙戦に控えており、両党の政策転換が注目される。

今後の展望:両党の政策転換が焦点に

共和党は過去10年にわたり、トランプ氏(とその顧問スティーブン・ミラー氏)の移民政策を踏襲してきた。しかし、国民の意識変化を受け、今後は政策の見直しを迫られる可能性が高い。民主党も同様に、移民問題をどのように捉え直すかが問われている。

移民政策はもはや単なる選挙の争点ではなく、米国の将来を左右する重要な課題となっている。2026年・2028年の選挙に向け、両党の動向から目が離せない。

出典: Vox