米国アラバマ州在住の米国市民、レオナルド・ガルシア・ベネガスさん(26歳)は、今月になって3度目の移民当局による逮捕を経験した。逮捕の際、米国市民であると主張し、アラバマ州発行のREAL ID(米国市民および合法居住者のみが取得可能な身分証明書)を提示したが、当局は信じなかったという。
繰り返される不当逮捕の経緯
昨年、ガルシア・ベネガスさんは、海岸沿いのアラバマ州の建設現場で行われた家宅捜索の際、弟の逮捕を撮影していたところ、移民当局者に取り押さえられた。その際も、米国市民であると主張したが、無視された。数週間後には、自身が建設中の自宅に移民当局者が侵入し、REAL IDを提示したが、やはり信じてもらえなかった。これらの出来事は動画として拡散され、議会での証言も行われた。また、トランプ政権を相手取った訴訟も起こしている。
しかし、こうした抗議活動にもかかわらず、状況は改善されていない。5月2日には、再び自宅に向かうガルシア・ベネガスさんを移民当局者が追跡し、3度目の逮捕に至った。当局は、彼の主張やREAL IDを無視し、拘束したという。
精神的負担と続く不安
ガルシア・ベネガスさんは、自身の経験について「本当に辛い」と語る。いつ再び逮捕されるかわからない不安がストレスやうつ病を引き起こしているという。「毎朝、仕事に向かう道中、いつ拘束されるかわからないと感じています」と話した。
議会の追及にもかかわらず続く誤認逮捕
移民当局による掃討作戦がメディアの注目を集めなくなった今も、米国市民の誤認逮捕は続いている。ガルシア・ベネガスさんの最新の逮捕事件から数日後、ニューヨークのブロンクス地区では、米国市民の10代の少年が、移民当局者に取り押さえられた。当局が彼が米国市民であると気づいた際には、すでに少年は見知らぬ地域に置き去りにされ、血まみれで打撲傷を負っていた。
同週に2人の米国市民が拘束された直後、米国国土安全保障省(DHS)の高官がアリゾナ州フェニックスで開催された国境警備会議で発言し、米国市民の誤認逮捕を否定した。会議の録音がProPublicaに提供された。
「今政権発足以来、米国市民を誤って不法移民と認識し逮捕した事例はゼロです」
マシュー・エリストン(ICE上級幹部)
別のパネルでは、ICEの当時の長官であるトッド・ライアンス氏が、米国市民が「法執行官に手を出した」とされる場合に逮捕されることがあると述べた。また、こうした逮捕は「抑止力となる」との見解を示した。
しかし、ProPublicaなどの報道によると、逮捕された米国市民の中には、暴行罪で起訴されていない者もおり、動画 footageでは、DHSの主張する「法執行官への攻撃」がなかったことが示されている。
DHSの主張と矛盾する事実
DHSの広報担当者は、ガルシア・ベネガスさんが拘束された件について、以下の声明を発表した。
「ガルシア・ベネガスさんは拘束されていません。ICEは、不法移民が所有する車両に対する通常の車両検査を実施したに過ぎません。彼の身元確認後、不法滞在者の車両であることが判明しました」
しかし、この主張は、ガルシア・ベネガスさんが米国市民であり、REAL IDを所持していた事実と矛盾している。また、彼が拘束された際の動画では、当局が彼を取り押さえ、拘束していた様子が映されている。