英国の通信規制当局Ofcomは5月13日、米国に拠点を置く自殺支援掲示板「Sanctioned Suicide(SaSu)」の運営者に対し、英国のオンラインセーフティ法違反を理由に95万ポンド(約127万ドル)の罰金を科したと発表した。
同法では、英国ユーザーがアクセス可能なサービス提供者に対し、自殺を助長する違法コンテンツのリスク軽減を義務付けている。しかし、SaSuは米国に拠点があり、当該コンテンツは米国憲法修正第1条により保護されている。Ofcomは「英国からアクセス可能なサイトは同法の対象となる」と主張したが、これは他国による表現規制の拡大につながる可能性がある。
英国当局の主張と現実の乖離
OfcomはSaSuが英国から「VPNなしでアクセス可能」と主張したが、実際には同掲示板は数か月前に英国ユーザーのアクセスを遮断していた。罰金発表後、英国ユーザーは「法的理由により利用不可」の表示を目にしていたという。
SaSuの弁護士Preston Byrne氏は、Ofcomの調査報告書を精査した結果、「当局とNGOがVPNを用いて意図的に英国の地理的制限を回避していた」ことが判明したと指摘。これにより、Ofcomの主張の根拠が揺らいでいる。
表現の自由と規制のジレンマ
英国の規制強化は、表現の自由と安全保護のバランスを巡る議論を再燃させている。専門家らは、他国の法令を根拠としたグローバルな規制が、インターネットの分断化を招く可能性を懸念している。
出典:
Reason