ジョージア州選出の下院議員でトラック会社経営者のマイク・コリンズ氏(共和党)は、2024年の米上院選挙に立候補している。同氏は外国人トラック運転手の商業免許剥奪を訴える一方で、自身の経営するトラック会社では安全基準の違反率が業界平均を上回る実態が明らかになった。

コリンズ氏は4月にFacebookで「英語の道路標識が読めないなら、運転免許を持つ資格はない」と発言。同氏は米下院交通委員会のメンバーでもあり、トランプ前政権が進めた「約20万人の外国人商業運転手免許剥奪」政策を強く支持してきた。しかし米政府関係者は、外国人トラック運転手が米国人よりも事故を起こすという「実証的根拠はない」との見解を示していた。

その一方でコリンズ氏は、専門家が「重大事故のリスクを大幅に低減する」と指摘する安全規制に反対してきた。同氏の家族経営のトラック会社が新たな安全対策に多額の投資を迫られる可能性があったためだ。

過去25年で5人死亡、50人以上が負傷

連邦データや裁判記録、警察資料によると、コリンズ氏のトラック会社の運転手が関与した事故で、過去25年間に5人が死亡し、50人以上が負傷した。そのうちの1人は重度の脳損傷を負い、現在も24時間介護が必要な状態にあるという。

事故被害者らは複数の訴訟で、医療費など数十万ドルの損害賠償を請求。コリンズ氏の会社は示談金の総額を公表していないが、ある訴訟では保険会社が100万ドルの支払いに合意したと裁判記録に記載されている。同社はこれらの訴訟で「運転手や会社に過失はなかった」と主張している。

安全違反率、業界平均を上回る

非営利調査報道機関プロパブリカが行った連邦自動車データの分析によると、コリンズ氏のトラック会社は過去2年間で、走行距離あたりの安全違反率(不安全運転・速度超過)が、同規模のトラック会社の多くを上回っていた。また同社の事故発生率は業界中央値程度だが、負傷事故率は上位20%に位置していた。

安全専門家は、コリンズ氏が反対してきた技術(トラックの速度制限装置や自動衝突回避センサーなど)が、重大事故や死亡事故のリスクを大幅に低減すると指摘する。米国最大のトラック業界団体もこうした技術の導入を推進しているが、コリンズ氏の会社も同団体のメンバーである。

「安全技術への投資を拒否することは、命を軽視する行為だ。規制に反対するのではなく、業界全体で安全基準を引き上げるべきだ」
(トラック安全専門家のコメント)
出典: ProPublica