ワシントン発 — 米最高裁判所は11日、除草剤ラウンドアップの製造元であるバイエル(旧モンサント)が、発がんリスクに関する十分な警告を怠ったとして提起された数千件の集団訴訟を阻止すべきかどうかを巡り、審理を行った。

同社はこれまでに、数十億ドル規模の損害賠償判決を相次いで受けており、今回の審理は同社の責任範囲をめぐる重大な判断につながる可能性がある。最高裁は、警告義務の有無や責任の所在について、保守・リベラル両派の判事から意見が分かれる様子が見られた。

背景:ラウンドアップと発がんリスク論争

ラウンドアップは世界で広く使用されている除草剤だが、グリホサートを主成分とする同製品が発がん性を有するとして、2015年に国際がん研究機関(IARC)が「おそらく発がん性あり」と分類したことをきっかけに、世界中で訴訟が相次いだ。

特に米国では、2018年以降、数万人がバイエルを提訴し、そのうちの一部の訴訟では、1件あたり数十億ドルの賠償金が認められた。バイエルはこれまでに、総額160億ドル以上の和解金を支払うことで合意しており、同社の財務状況に大きな打撃を与えている。

最高裁の審理内容と今後の展望

今回の審理では、主に以下の点が争点となった:

  • 警告義務の有無:ラウンドアップのラベルに発がんリスクに関する警告が不十分だったかどうか
  • 科学的根拠の解釈:IARCの評価や他の規制機関の見解をどう扱うか
  • 責任の所在:バイエルが過去の科学的知見を踏まえて適切な対応をしていたかどうか

最高裁の判決は、米国における製造物責任訴訟の今後の在り方に大きな影響を与える見込みだ。特に、集団訴訟の拡大を抑制するかどうかが焦点となる。

「この訴訟は、単にバイエルの責任だけでなく、米国の製造業全体に対する警告義務の在り方を問うものだ」
— 米国法律専門家のコメント

判決は数カ月以内に下される見通しで、業界関係者や投資家から注目が集まっている。

出典: STAT News