米軍特殊部隊軍曹、機密情報を悪用し40万ドル超の利益獲得

米陸軍特殊部隊に所属するGannon Ken Van Dyke軍曹(マスター sergeant)が、ベネズエラ前大統領ニコラス・マドゥロの逮捕に関する機密情報を悪用し、予測市場「ポリーマーケット」で40万ドル超の利益を得たとして逮捕された。司法省が1月14日に発表した。

逮捕の背景と利益の詳細

Van Dyke軍曹は、2025年12月26日にポリーマーケットのアカウントを作成。2025年12月27日から2026年1月2日にかけて、マドゥロの逮捕に関連する13件の予測に「Yes」を選択し、計33,034ドルを投資した。その結果、10倍以上の409,881ドルの利益を得たとされる。

主な賭けの内容は以下の通り:

  • 「2026年1月31日までに米軍がベネズエラに展開する」
  • 「2026年1月31日までにマドゥロが退陣する」
  • 「2026年1月31日までに米国がベネズエラに侵攻する」
  • 「2026年1月31日までにトランプ大統領がベネズエラに対して戦争権限を発動する」

マドゥロは2026年1月3日に逮捕されたが、Van Dyke軍曹はその直後に利益を暗号資産で海外の金庫に移管。その後、新たなオンライン証券口座に資金を移したとされる。

証拠隠滅の疑いと法的責任

マドゥロ逮捕直後に、匿名のギャンブラーが40万ドル以上の利益を得ていたとの報道が出た。これを受け、Van Dyke軍曹は証拠隠滅を図った疑いがある。

具体的には、報道後にポリーマーケットに対しアカウントの削除を要請。その際、使用していたメールアドレスへのアクセスが失われたと虚偽の申告を行った。さらに、暗号資産口座にリンクしていたメールアドレスを、自身の名義と関連付けられないものに変更したとされる。

起訴内容と今後の見通し

Van Dyke軍曹は以下の容疑で起訴された:

  • 商品取引法違反(3件、各最高10年の禁固刑)
  • wire fraud(有線詐欺、最高20年の禁固刑)
  • 不正資金取引(最高10年の禁固刑)

現在、軍曹は拘束されている。今後の裁判で有罪が確定すれば、最大で40年の禁固刑に処される可能性がある。

予測市場におけるインサイダー取引の問題

ポリーマーケットを含む予測市場では、インサイダー取引の問題がたびたび指摘されている。最近では、米選挙関連の予測市場「カルシ」が、政治キャンペーンに関するインサイダー取引を行ったとして3人の候補者を処分した。

具体的には、ミネソタ州のMatt Klein氏とテキサス州のEzekiel Enriquez氏は5年以内の取引停止と1,000ドル未満の罰金、バージニア州のMark Moran氏は5年の取引停止と6,000ドル超の罰金が科された。

予測市場の透明性と公平性を確保するため、規制当局による監視強化が求められている。

出典: Engadget