米国時間4月28日、英国国王チャールズ3世は米議会上下両院合同会議で演説を行い、米国の法体系や国際協調の重要性を訴えた。その内容は、ドナルド・トランプ前大統領の主張と相反するものであった。

マグナ・カルタの法的意義を強調

チャールズ国王は演説で、1215年に英国のジョン王によって署名されたマグナ・カルタが米国の法体系に与えた影響について言及した。特に、同文書が米国の最高裁判所で160件以上の判例で引用され、行政府の権力に対する抑制の原則を確立したと指摘した。

「米国最高裁判所歴史協会の調査によると、マグナ・カルタは1789年以降、少なくとも160件の最高裁判決で引用されています。その中心には、行政府の権力が抑制と均衡の原則に服するという考え方があります」
— チャールズ国王

この発言に対し、民主党議員からは即座のスタンディングオベーションが起きた一方、共和党議員からは遅れて拍手が送られた。この内容は、トランプ前大統領が行政府の権限強化を図ってきたことや、保守系判事の支援を受けて議会を無視してきた姿勢と対立するものであった。

キリスト教の寛容性と多様性の尊重を提言

チャールズ国王はさらに、キリスト教の信仰が個人の支えであるだけでなく、異なる信仰を持つ人々の理解を深めるための架け橋となることを強調した。同国王は、自身の生涯の多くを異宗教間の対話と理解促進に捧げてきた経験を踏まえ、信仰の多様性がもたらす敬意の重要性を説いた。

「キリスト教の信仰は、私たち一人ひとりを支える確固たる錨であり、日々の糧です。それは個人的なものであるだけでなく、コミュニティの一員として共に生きる中で、光が闇に勝利するという信念によって支えられています」
— チャールズ国王

この発言は、宗教的寛容性を重視しないトランプ前大統領の姿勢とは対照的な内容であった。

NATOの重要性とウクライナ支援を訴求

演説の中で最大の拍手を浴びたのが、NATOの重要性についての言及だった。チャールズ国王は、9.11同時多発テロ後のNATOの団結や、ウクライナ支援の必要性を強調した。特に、トランプ前大統領がNATOの貢献に不満を表明し、イラン戦争への支援不足を理由に同盟離脱を示唆していたことと対照的な内容であった。

「9.11テロの直後、NATOが初めて集団的自衛権(第5条)を発動した際、国連安全保障理事会はテロに立ち向かうために団結しました。私たち米英は、1世紀以上にわたり、二度の世界大戦、冷戦、アフガニスタン、そして私たちの安全保障を定義する瞬間において、常に肩を並べて戦ってきました。今日、その不屈の決意が、ウクライナと勇敢な国民を守るために必要とされています」
— チャールズ国王

この演説は、米国と英国の歴史的な結束を再確認するとともに、現代の国際的課題に対する連帯の重要性を訴えるものであった。