2010年4月20日、米国最高裁判所は、ロバート・J・スティーブンス被告に対する有罪判決を覆す判決を下した。スティーブンス被告は、動物虐待の映像を販売したとして、連邦法「動物虐待防止法(Animal Crush Video Prohibition Act)」に基づき起訴されていた。
連邦最高裁は、この法律が表現の自由を侵害するとして、スティーブンス被告の有罪判決を破棄した。判決文では、動物虐待映像の販売が「表現行為」に該当する可能性があり、憲法修正第1条で保障される言論の自由に抵触する可能性があると指摘された。
当時の法律は、動物虐待の映像を販売する行為そのものを犯罪としていたが、最高裁はこれを「過度に広範な規制」と判断。動物虐待の映像であっても、その販売が表現行為に該当する場合、憲法で保護される可能性があるとした。
判決の背景と影響
この事件は、動物虐待映像の販売をめぐる初めての憲法上の争いではなかった。しかし、最高裁が表現の自由の観点から法律を違憲としたことで、動物虐待防止法の見直しが迫られることとなった。
判決後、連邦議会は2010年12月に「動物虐待防止法」を改正し、動物虐待の映像そのものを販売する行為だけでなく、動物虐待行為自体を助長する映像の販売を明確に禁じる内容に強化した。
スティーブンス被告のその後
スティーブンス被告は、この判決により無罪となったわけではない。最高裁は有罪判決を破棄したが、事件は差し戻され、再審理されることとなった。最終的に、スティーブンス被告は動物虐待映像の販売ではなく、動物虐待行為自体に関与していたとして有罪となった。
「この判決は、表現の自由と社会規制のバランスをめぐる重要な議論を提起した。動物虐待の防止と表現の自由の保護は、どちらも重要な価値を持つ。」
— 米国憲法学者のコメント
出典:
Reason