BMW Designworks(BMWのデザイン部門)とLufthansa Technikが共同で開発した超高級プライベートジェット「The BOW」が、航空業界の常識を覆す革新的なコンセプトとして注目を集めている。同コンセプトは、ドイツ・ハンブルクで開催された「Aircraft Interiors Expo(AIX)2024」で発表された。
従来のプライベートジェットが個人向けのサービスに特化していたのに対し、The BOWはグループ旅行向けに設計されている点が最大の特徴だ。例えば、エアバスA321やボーイング737などのナローボディジェット機の座席220席を撤去し、代わりに14の個室とラウンジ、バーを設置。搭乗人数はわずか28人だが、一人ひとりが贅沢な空間で過ごせる。
グループ旅行向けに最適化された空間設計
一般的なVIPジェットが超富裕層1人を中心とした設計であるのに対し、The BOWは全ての搭乗者に平等なラグジュアリー体験を提供する。コーポレートチーム、スポーツチーム、アーティストのツアーなど、長時間の移動中にプライバシーと共有空間の両立が求められるグループに最適だ。
機内のレイアウトは、機首からテールまで続く流れるようなデザインで、従来の大型機よりも開放的でつながりを感じられる空間となっている。機体前方には、バーを備えた受付風のエリアが設けられ、雰囲気を演出する。さらに奥には、ミーティングルーム、ダイニング、リラックススペースとして機能する大型ラウンジが設置されている。
その後方には14の個室が並び、メインの搭乗者とゲスト1人ずつが利用できる。個室は必要に応じて完全に閉鎖することも、開放して交流スペースとして活用することも可能だ。収納スペースも充実しており、楽器やスポーツ用品などの大きな荷物も問題なく収納できる。
BMWのラグジュアリー哲学が投影された内装
The BOWの内装には、BMW Designworksのラグジュアリーに対する哲学が随所に反映されている。柔らかなフォルム、クリーンなライン、プレミアム素材を採用することで、同社が目指す「落ち着きとバランスの取れた環境」を実現。従来の航空機内装とは一線を画し、まるで高級リビングスペースにいるかのような感覚を与える。
目立たないが高度に統合されたテクノロジー
機内のテクノロジーは、過剰に目立つことなく、シームレスに統合されている。タッチコントロールは表面に隠され、照明は時間帯に応じて自動調整される。また、気候やエンターテイメントなどのシステムは、わずかな操作で全てをコントロールできるように設計されている。
「自動車業界で培ったラグジュアリーのノウハウを、航空業界に展開することで、新たな価値を創造したいと考えた」
— BMW Designworks スポークスパーソン
BMWをはじめとする自動車メーカーは、長年にわたり車内のラグジュアリー体験を追求してきた。しかし、その発想は今や航空業界へと広がりつつある。航空業界では、より高いステークスと予算が動くため、その変革はさらに加速するだろう。あなたが次にBMWを購入する際にシートカラーを選ぶのと同時に、同社のデザイナーたちは、高度35,000フィート(約10,700メートル)の空に浮かぶ「空の宮殿」を設計しているのだ。