米連邦通信委員会(FCC)で唯一の民主党委員を務めるアンナ・ゴメス氏は、トランプ政権がディズニー傘下のテレビ局ABCに対し、報道の自由を抑圧する「持続的かつ組織的な検閲キャンペーン」を展開していると警告しました。

ゴメス氏は1月20日、ディズニーCEOのジョシュ・ダマロ氏宛ての書簡で、FCCのブレンダン・カー委員長が率いる同委員会が「独立した報道機関やメディアを服従させるために規制権限を悪用している」と非難しました。

FCCの「規制圧力」の具体例

  • 放送ライセンス更新の要求:ディズニーが所有する8局の更新申請をFCCが求めたこと
  • 番組調査の再開:2024年大統領選挙討論会(トランプ vs ハリス)におけるABCのモデレーション方法を巡る苦情の再調査
  • 深夜トーク番組への圧力:ジミー・キンメル氏がチャーリー・カーク氏やトランプ大統領、メラニア夫人を揶揄した内容に対し、FCCが規制措置を取ったことで、キンメル氏が一時番組を降板に追い込まれた

ゴメス氏は書簡で「これらは偶然の一致ではなく、明確な狙いを持った規制圧力だ」と述べ、報道の自由を脅かす動きに対する懸念を表明しました。

トランプ政権の報復的なメディア攻撃

ゴメス氏は、トランプ氏が2024年12月にABCを提訴し、1600万ドルの和解金を支払わせた事例を引き合いに出し、「和解金は平穏を買うものではない。政権の好意は一時的なもので、代償は常に増大する」と指摘。さらに「このFCCの動きを注視し、報道の自由を守るためあらゆる手段を行使する」と強調しました。

先週、ディズニーはFCCの行為が憲法修正第1条(言論の自由)に違反するとの主張を法廷で展開。元ジョージ・W・ブッシュ政権の法務長官で、現在最高裁判所専門の弁護士ポール・D・クレメント氏を起用し、法廷闘争に臨む姿勢を示しています。

報道の自由を守るための対抗措置

ゴメス氏の書簡は、他のメディアにも「同様の圧力が及ぶ可能性がある」と警告しており、報道機関が団結して政権の干渉に抵抗する必要性を訴えています。専門家らは、今回の動きが「報道の独立性を脅かす前例となる」との見方を示しています。

「規制圧力は、メディアに自己検閲を強いるための手段だ。これは民主主義の根幹を揺るがす行為だ」
アンナ・ゴメス FCC委員