米ジョージア州北部地区の連邦大陪審は10日、人権団体「南部貧困法律センター」(SPLC)を巡る不正支出の疑いで、同団体に対する起訴状を発表した。起訴状によれば、SPLCは寄付金の使途を巡り、寄付者に対して虚偽の説明を行っていたとされる。

SPLCの表向きの使命と裏の実態

SPLCは設立以来、「白人至上主義の解体」と「米国全土の憎悪団体との対決」を掲げ、寄付金を募ってきた。しかし、起訴状によると、寄付者の知らぬ間に寄付金の一部が、クー・クラックス・クラン(KKK)、アーリアネイション、全米同盟などの極右団体のリーダーや組織者に支払われていたという。

さらに、SPLCは「フィールドソース」(有償の情報提供者)と呼ばれる人物を通じて、自らが公然と非難する極右団体の活動を支援していた。例えば、2017年にバージニア州シャーロッツビルで発生した「 Unite the Right 」デモの計画に関わったオンラインリーダーチャットグループのメンバーが、SPLCのフィールドソースとして活動していたことが明らかになった。この人物はSPLCの監督下で人種差別的な投稿を行い、デモ参加者の交通手段の手配にも関与していたとされる。

300万ドル超の不正支出と偽装口座

起訴状によると、SPLCはフィールドソースへの報酬支払いを隠蔽するため、架空の団体名義の銀行口座を開設。これにより、寄付金の真の使途や支配関係を隠していたとされる。また、SPLCは寄付金の募集に際して、資金が「暴力的過激派団体の解体」に使われる旨を明示していたが、実際には暴力的過激派団体のリーダーへの報酬や、同団体の活動資金として流用されていたという。

起訴状は、こうした不正支出の総額が300万ドルを超えると指摘。そのうち180万ドル以上に具体的な支出が列挙されている。また、暴力的過激派団体からの文書窃盗とその利用についても触れられている。

20年以上にわたるフィールドソースへの報酬

起訴状の具体例として、全米同盟に所属するフィールドソース「F-9」が挙げられている。F-9は20年以上にわたりSPLCのフィールドソースとして活動し、2014年から2023年にかけてSPLCから100万ドル以上の報酬を受け取っていた。2014年には、F-9が暴力的過激派団体の本部に侵入し、25箱の文書を盗み出す事件が発生。SPLCの上級幹部がこの文書のコピーを受け取り、後に暴力的過 extremist group in part as the basis for a story published on the SPLC's website.

起訴の背景と今後の展開

起訴状は、SPLCが寄付者に対して「暴力的過激派団体の解体」を目的とした資金提供を求めていた一方で、実際には同団体のリーダーへの報酬や犯罪行為に関与していたと主張。寄付者はこうした実態を知らされていなかったとしている。また、文書窃盗に関与したとされるSPLC幹部については、犯罪行為としての起訴は行われていないが、起訴状にその関与が記載されている。

SPLC側は現在、この起訴に対してコメントを発表していない。今後、裁判を通じて事実関係が明らかにされる見通しだが、同団体の信頼性に与える影響は計り知れない。

出典: Reason