抗がん剤開発ベンチャーのエラスカ(Erasca)は10月28日、自社のRAS標的薬ERAS-0015が、進行膵臓がん患者の40%、進行非小細胞肺がん患者の62%で腫瘍縮小効果を示したと発表した。同社はこの結果が期待を上回るものだとしている。

今回のデータは、米国と中国で実施された臨床試験の暫定的なものだが、エラスカはERAS-0015の臨床的有効性と忍容性が、競合のレボリューション・メディスン(Revolution Medicines)社が開発中のRAS標的薬ダラコナスリブと比較しても優れていると主張。同薬は最近、進行膵臓がん患者の全生存期間を2倍に延長する結果を示していた。

エラスカのCEOジョナサン・リム(Jonathan Lim)氏は「両方のデータに期待を寄せているが、肺がんの結果は現時点でより確定的だ。膵臓がんの結果はまだ成熟途上だが、非常に有望な兆しを示している」と述べた。また同氏は「あらゆる選択肢を検討している」と強調した。

RAS標的薬の開発競争が加速

RAS遺伝子はがんの主要なドライバーであり、これまで治療が困難とされてきた。しかし近年、RAS標的薬の開発が進み、膵臓がんや肺がんなどの難治性がんに対する新たな治療法として注目を集めている。

エラスカは、ERAS-0015がRAS経路を阻害することでがん細胞の増殖を抑制するメカニズムを持つ。同社は今後、規制当局との協議を進め、さらなる臨床試験の実施を目指す方針だ。

今後の展望と課題

今回の発表は暫定的なものであり、長期的な有効性や安全性についてはさらなる検証が必要だ。しかし、難治性がんの治療選択肢が限られている現状を踏まえると、ERAS-0015の可能性は大きいと専門家からも期待の声が上がっている。

エラスカは、今後数年以内に規制当局への申請を目指す計画を明らかにしており、がん治療の新たな選択肢としての地位を確立できるか注目される。

出典: STAT News