2026年のNFLドラフト1巡目指名時間が、従来の10分から8分に短縮されたことで、指名作業はかつてないほどスピードが求められた。そんな中、ダラス・カウボーイズのドラフトルームでは、12位から11位への指名権移動を巡る緊迫の交渉が繰り広げられていた。
新たに公開されたドキュメンタリー「ザ・ピック・イズ・イン」では、カウボーイズのドラフト戦略と内部の意思決定プロセスが明らかにされている。同チームは、ドルフィンズとの交渉を通じて、12位指名権から11位指名権への移動を目指した。
当初、カウボーイズのエグゼクティブであるスティーブン・ジョーンズ氏が提示した条件は、「5巡目指名権プラスα」だったが、ドルフィンズに拒否された。時間が刻一刻と迫る中、ジョーンズ氏は再び交渉を試み、今度は「2つの5巡目指名権」を提示。最終的にドルフィンズがこれを受諾し、取引が成立した。
しかし、ここで最後の関門が待ち受けていた。カウボーイズは、リーグに対して正式に指名権を登録しなければ、ドルフィンズに先に選手を指名されてしまう可能性があったのだ。ジョーンズ氏はリーグとの交渉を終えると、時計を指差し、「残り10秒!」と叫んだ。
カウボーイズは無事に指名を完了し、オハイオ州立大学のセイフティ、ケイレブ・ダウンズを11位で指名した。しかし、もしこのタイミングでミスがあれば、2003年のミネソタ・バイキングスのように、指名権を失う可能性もあった。当時、バイキングスは7位指名権を保持していたにもかかわらず、時計が切れるまでに指名できず、8位と9位のチームに先を越されてしまったのだ。
カウボーイズが2つの5巡目指名権を提供したにもかかわらず、指名権を失っていたら、非常に奇妙な事態となっていただろう。幸いにも、このシナリオは回避されたが、ドキュメンタリー「ザ・ピック・イズ・イン」を通じて、ドラフトの裏側で繰り広げられる交渉の舞台裏が明らかになった。