トランプブランドを悪用した詐欺行為の疑い
暗号資産(暗号資産)起業家で、元米大統領ドナルド・トランプの支持者として知られるジャスティン・サン氏は、トランプ支持の金融プロジェクト「ワールドリバティ・ファイナンシャル(WLF)」を相手取り、詐欺や経営破綻の危機を訴える訴訟を米ニューヨークで起こした。同社が投資家をだまし、トランプブランドを不正に利用して利益を得ようとしたと主張している。
「トランプブランド」を盾にした資金調達戦略
WLFは2024年から2025年にかけて、サン氏から計30億WLFIトークン(当時の価値で約4,500万ドル相当)を購入してもらうことで資金を得た。しかし、同社の経営陣はさらに多くの資金を要求。サン氏に対し、自社製品への投資増額を圧力としてかけたという。
訴状によると、WLFの経営陣はトークンの凍結・移転・破壊権限を密かに自らに与えており、これをサン氏に対する「脅し」に利用していたとされる。また、同社はトランプブランドを前面に押し出し、分散型金融(DeFi)の推進を掲げていたが、実際には投資家を裏切る行為に及んでいたと主張されている。
「 desesperate attempt( desperate attempt)」との反論
WLF側は直ちに反論を発表。サン氏の訴えを「自身の不正行為を隠蔽する desperate attempt( desperate attempt)」と切り捨てた。
「ジャスティン・サンの最近の訴訟は、彼自身の不正行為から注意をそらす desperate attempt( desperate attempt)に過ぎない。彼の主張は全く根拠がなく、WLFは迅速にこの訴訟を却下させることを楽しみにしている」
ザック・ウィトコフ(WLF共同創業者兼CEO)
また、トランプ大統領の息子でWLF共同創業者のエリック・トランプ氏は、SNS上でこう反論した。
「この訴訟以上にばかげたものはない。壁にテープで貼り付けられたバナナに600万ドルも費やすような男の主張など、取るに足らない。WLFチームを誇りに思う」
エリック・トランプ
トランプ一家との関係悪化
WLFはもともと、トランプ一家が運営するDT Marks DEFI LLCが75%の株式を保有していた。しかし現在、同社のウェブサイトによると、DT Marksの保有比率は38%にまで低下している。その一方で、DT Marksとトランプ一家には計225億WLFIトークンが与えられており、WLFIトークンの売却収益の75%がDT Marksに還元される仕組みとなっている。
サン氏はWLFへの投資を決めた理由について、同社のトランプブランドとDeFi推進の約束を信頼したためと説明していた。しかし、同社は当時「アカウントが凍結されることはない」と顧客に約束していたにもかかわらず、実際にはトークンの凍結権限を悪用していたと訴状で指摘されている。
WLFを巡る波紋と今後の展開
今回の訴訟は、WLFが数十億ドル規模のトークンロック解除を計画する中で浮上した。また、同社による一連の不透明な取引が「利益相反行為」との非難を浴びており、トランプ一家の暗号資産取引を巡る政治的攻撃の材料ともなっている。ホワイトハウスはこれまでに不正行為を否定している。
WLF側は、サン氏の主張を「全く根拠がない」と一蹴。今後、法廷で争う構えを見せている。一方、サン氏は「トランプブランドの悪用」を強く非難しており、両者の対立は今後も激化しそうだ。