プレーオフシリーズ第1戦で敗れたホームチームが第2戦で巻き返すのが恒例だが、サンアントニオ・スパーズは11月20日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦でその定石通りにシリーズを五分に戻した。スパーズが133-95で勝利し、ウルブズの得点は全員が12点以下に抑えられた。出場した14人のウルブズ選手全員がマイナスのプラスマイナスを記録するなど、チームは完全に圧倒された。
敗戦後、ウルブズのアンソニー・エドワーズは「母がよく言ってた、『頑固者は結局痛い目見る』って。今夜はそのとおりになった」とコメント。一方のスパーズは、スター選手たちが活躍する中で、新人のディラン・ハーパーが最大のインパクトを与えた。プレーオフデビューから7試合目にして、ハーパーの名前が注目を集め始めている。
ハーパーの多彩な才能が光る
公式記録は11得点・10本中の成功・7リバウンド・5アシスト・2スティールと控えめだが、そのプレー内容は「 dynastie(王朝)を脅かす存在」とすら思わせるほどのインパクトがあった。ハーパーは単に得点を重ねるだけでなく、複数のポイントガードが同時にコートにいる中で「どこに位置取りすべきか」を瞬時に判断し、的確に動く。経験はステフォン・キャッスルやデアロン・フォックスより浅いが、シュート精度は上回っており、相手ディフェンスの動きに応じて柔軟に攻撃を展開する。
成長著しい3Pシュートとディフェンス力
ハーパーの特筆すべき成長は、3ポイントシュートへの自信の高まりに表れている。シーズンを重ねるごとに躊躇なく放つようになり、その正確性が増している。また、ディフェンス面でも貢献度が高い。パス回しを妨害するタイミングを見極め、スパーズの弱点であるウィークサイドを過剰に晒すことなく、相手の攻撃を封じる。これはビクター・ウェンバニャーマが強固なディフェンスを敷くため、特に難しい課題だが、ハーパーはそれを難なくこなす。
トランジションのスペシャリストへ
何より注目すべきは、ハーパーのトランジション(速攻)における完成度だ。コートを全力疾走し、誰であろうとフィニッシュまで持ち込む。10月のダラス・マーベリックス戦でのNBAデビュー戦で既にその才能を発揮していたが、シーズンが進むにつれてオープンコートでの判断力がさらに向上。今や、スパーズの速攻を牽引する存在となっている。