米国のトランプ前大統領は1月22日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、極右評論家マイケル・サベージの差別的な発言を引用し、インドを「地獄の穴」と呼ぶ投稿を行った。サベージは出生権 citizenship について批判し、インド系移民の英語力の低さや、米国の技術産業における白人雇用の阻害を主張。その中で「米国で生まれた赤ちゃんは即座に市民権を得て、中国やインド、あるいは地球上の他の『地獄の穴』から家族を呼び寄せる」と発言した。
この投稿に対し、インド外務省のランドヒール・ジャイスワル報道官は23日、声明を発表。「トランプ氏の発言は無知で不適切かつ品位に欠けるものであり、米印関係の現実を反映していない」と強く非難した。同声明では「米印関係は長年にわたり相互尊重と共通の利益に基づいて発展してきた」と指摘した。
また、米国在住のインド系コミュニティからも批判が相次いだ。右派系団体「ヒンドゥー系アメリカ人財団」はX(旧Twitter)で「大統領がインド系・中国系アメリカ人を標的にした憎悪に満ちた発言を共有したことに深い憤りを覚える」と投稿。さらに「現職の米国大統領がこうした差別的な主張を支持することは、既に高止まりしている外国人排斥主義や人種差別をさらに助長し、コミュニティを危険にさらす」と警告した。
トランプ氏は2018年に「糞穴国家」発言でアフリカ諸国やハイチを侮辱した過去があり、2025年にも同様の発言を繰り返している。こうした発言の背景には、出生権 citizenship の廃止や合法移民の道の廃止を目指す政策があるとみられている。その一方で、オハイオ州知事選に出馬したビベック・ラマスワミー氏やFBI長官のカシュ・パテル氏など、多くのインド系アメリカ人がトランプ氏を支持していることも事実だ。