米国の共和党内で、ドナルド・トランプ前大統領の影響力がかつてほど強くなくなっていることが明らかになってきた。2024年11月の米中間選挙を前に、党内の反主流派議員への報復選挙が失敗に終わるケースが相次ぎ、その政治的影響力の低下が浮き彫りとなっている。
米政治専門紙ポリティコによると、トランプ氏はまずインディアナ州で報復選挙を展開。同州の共和党議員21人が昨年12月、州の選挙区再編に反対したため、トランプ氏は彼らへの報復を決意。このうち再選を目指す議員8人を公認候補で挑戦させる構えだが、現時点での支持率は伸び悩んでいる。主要候補者でさえも接戦を繰り広げるにとどまり、トランプ氏の支持者ですら全勝は期待していないという。
また、トランプ氏は党内の有力議員にも反旗を翻し、ルイジアナ州のビル・キャシディ上院議員やケンタッキー州のトーマス・マッシー下院議員らを公認候補で挑戦させた。このうちマッシー議員はこれまでのところ選挙戦を乗り切っており、キャシディ議員も2021年のトランプ氏弾劾裁判で有罪票を投じたことで保守層の反感を買ったものの、最新の世論調査ではわずかな差にとどまっている。
これらの動きは、極右運動「MAGA」が長年支えてきたリーダーであるトランプ氏から距離を置き始めていることを示唆している。トランプ氏が大統領職を延長する意向を示す中、支持層は将来を見据えた新たな指導者を模索し始めている可能性がある。
トランプ氏は79歳。ホワイトハウスで開催された中小企業サミットで再び大統領職の延長について言及し、「あと2期、8年間務めることも可能だ」と述べた。しかし、元共和党下院議員のアダム・キンジンガー氏は「トランプ氏の権力はピークを過ぎ、下降カーブに入った。今後、彼に影響力を行使できる選挙は最後のものになるだろう。支持層も将来を見据え始めている」と分析している。