ドイツのメルツ首相は4月27日、西部ドイツの高校生に対し、イランとの交渉における米国の立場について「一国全体がイラン指導部、特にイスラム革命防衛隊によって屈辱的な扱いを受けているという感覚がある」と発言した。米ブルームバーグが報じた。

「米国には明確な戦略が全くないことは明らかだ」とメルツ首相は地元のマルスベルクで行われた講演で述べた。また、「紛争の根本的な問題は常に同じだ。参入するだけでなく、いかにして撤退するかを考えなければならない」と指摘した。

メルツ首相の発言は、トランプ前大統領にとっては大きな打撃となる。トランプ氏はこれまで、イランとの戦争における欧州諸国の支援不足をたびたび不満視していた。メルツ首相は先月、トランプ氏を訪問し、当初は良好な関係を築いていたとされる。その際には「この恐ろしいイラン政権を排除するという点で、我々は同じ考えを持っている」と述べていた。

しかし、その後の展開は一転した。米国とイスラエルによるイランへの攻撃開始からわずか数日後の3月3日、メルツ首相は「その後の展望、つまり政権が崩壊した後の計画について話し合う」と発言していたが、ドイツのピストリアス国防相はその後、ドイツが地域に艦船を派遣しないと表明したのだ。

さらに先週、メルツ首相は「初期の攻撃に関して、我々は事前に相談を受けていなかった」と述べ、トランプ氏との2度の会談で懸念を伝えたことを明らかにした。「もしこの戦争が5~6週間続き、さらに悪化すると知っていたなら、もっと強く反対の意を示していた」と語った。

また、戦争による燃料価格の高騰が世界経済、特にドイツ経済に与える影響を強調。「このイランとの戦争はドイツ経済に直接的な影響を及ぼしており、早期の終結が必要だ」と述べた。

イランによるホルムズ海峡の封鎖は、米国に対する優位性を示しており、パキスタンでの交渉でもトランプ前大統領が成果を上げられていないことが世界に知れ渡っている。紛争が長引けば長引くほど、米国の立場は悪化するばかりだ。