ハイパーリキッド、予測市場に初参入。Kalshi・Polymarketを圧倒する取引高
分散型金融(DeFi)取引所のハイパーリキッドが、予測市場に本格参入した。同社は5月、初の「結果契約(outcome contracts)」をリリースし、その取引高が業界関係者の注目を集めている。
ハイパーリキッドのCEO、Hyunsu Jung氏によると、同社の初となるビットコイン価格予測市場は、KalshiとPolymarketの同種市場の合計取引高の3倍以上を記録したという。Jung氏はDL Newsに対し、「流動性を共有することでユーザー獲得が加速することが証明された」と述べた。
同社の予測市場サービス「HIP-4」は、既存の暗号資産先物取引で圧倒的なシェアを誇るハイパーリキッドの技術基盤を活用。24時間365日のリアルワールド資産取引の実現に向けた第一歩と位置付けられている。
機関投資家が注目する予測市場の可能性
米投資銀行バーンスタインは5月、デジタル資産分野の調査範囲を拡大し、予測市場を「トークン化」や「ステーブルコイン」と並ぶ注目トレンドの一つに位置付けた。同社のアナリスト、Gautam Chhugani氏らは、予測市場が機関投資家にとって新たなリスクヘッジ手段として有効だと指摘する。
従来の為替オプションやコモディティエクスポージャーは、ベーシスリスク(イベント解決前の価格変動)を伴うが、予測市場のバイナリーコントラクトは「2026年に米国がEU向け財に25%以上の関税を課すか?」といったイベントの結果にのみ連動。損失上限やペイオフが事前に明確なため、リスク管理が容易とされる。
Kalshiの先行事例と機関投資家の動き
予測市場の機関投資家向けサービスでは、Kalshiが先行している。同社は5月、テキサス州の環境ヘッジファンドと大手トレーディンググループ「Jump Trading」間で、カリフォルニア州の炭素排出権オークション価格に連動したブロック取引を仲介した。また、Clear StreetがKalshiと提携し、ヘッジファンド向けの規制対象先物取引サービスを開始。機関投資家の参入が加速している。
一方、ハイパーリキッドのHIP-4は、同社の機関投資家向けサービスとのシナジーが強みだ。FalconXは2月にハイパーリキッド向けのプライムブローカレッジサービスを開始し、Binance、OKX、Bybit、Deribit間で単一の担保プールによるクロスベンュー・マージニングを提供。Ripple Primeも同年2月にハイパーリキッドをDeFi取引所として初採用し、年間3兆ドル超の決済を手掛ける。さらに、Anchorage Digital(米連邦認可暗号銀行)はHYPEトークンのカストディとステーキングをサポートしている。
今後の注目点:取引高と新市場の拡大
Jung氏は、今後の成長を測る指標として取引高と未決済残高の伸び、そして新たな市場の拡大を挙げる。HIP-4は現在ビットコイン価格予測に特化しているが、HYPEやイーサリアムの導入、さらには15分枠を超える長期市場の拡大が計画されている。
バーンスタインのデータによると、KalshiとPolymarketの月間取引高は4月に240億ドルに達し、Kalshiが62%のシェアを獲得。1月には55%だったことから、同社の優位性が鮮明となっている。ハイパーリキッドの参入は、この競争の構図を一変させる可能性を秘めている。
予測市場の未来:24時間取引とリアルワールド資産の拡大
ハイパーリキッドは、HIP-4のリリースを「暗号資産パペチュアル取引の支配的地位を活かし、2026年上半期にリアルワールド資産の24時間取引を実現するための次のステップ」と位置付ける。機関投資家の参入が進む中、予測市場は従来の金融商品を超える新たな投資機会として注目を集めそうだ。