イタリアを代表する自動車メーカー、フェラーリは、初のレーシングヨット「ハイパーセイル」を発表した。同社の伝統的なレーシングカラーである赤ではなく、1960年代の名車「275 GTB」に由来する鮮やかな黄色を採用。その理由は、黄色が赤よりも海上で視認性が高く、スピード感を演出するためだ。
全長30メートルのハイパーセイルは、カーボンファイバー製の船体と、T型フォイルと呼ばれる水中翼を装備。これにより船体を水上に浮上させ、抵抗を大幅に低減することで、驚異的なスピードを実現する。また、可動式キールにより、帆走時のバランスと安定性を最適化する。
デザイン面では、フェラーリのデザインスタジオを率いるフラビオ・マンゾーニ氏が監修。限定生産車「モンツァSP1/SP2」や、ル・マン24時間レースで優勝した「499P」のデザイン要素が取り入れられている。
ハイパーセイルの特徴的な黄色は、「ヌオーヴァ・ジアッリ・フライ」と呼ばれる鮮やかな黄色で、船体全体と帆にあしらわれている。対照的に、「グリジオ・ハイパーセイル」と呼ばれる暗灰色の表面がアクセントとなっている。
ソーラーパネルとエネルギー回生システム
船体の甲板と船側には、ソーラーパネルが設置されている。これらは、海上での日射量を分析して最適な位置に配置されており、最大20kWの電力を発電することが可能。さらに、エネルギー回生システムと連動し、持続可能なエネルギー利用を実現する。ソーラーパネルは、人の歩行にも耐えられる強度を備えている。
フェラーリの新たな挑戦
フェラーリは、モータースポーツの頂点に君臨するだけでなく、海上レースの分野でも新たな挑戦を始めた。ハイパーセイルは、ミラノデザイン週間で初公開され、現在、実用化に向けた最終段階に入っている。船体構造や制御システムの調整が進められており、今後のレース参戦が期待される。
「ハイパーセイルは、フェラーリの技術とデザインの融合が生み出した最高傑作の一つです。単なるレースヨットではなく、未来のモビリティを象徴する存在です」
— フェラーリ広報担当