米通信労働者協会(Communications Workers of America, CWA)は4月29日、ハズブロ傘下のウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)で「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」などを開発する従業員が、新たな労働組合「United Wizards of the Coast (UWOTC-CWA)」を結成すると発表した。
CWAによると、同組合は既に「圧倒的多数」の支持を得ており、5月1日までにハズブロが自主的に組合を承認しなければ、全米労働関係委員会(NLRB)に正式な選挙申請を行う方針だ。
開発者が求める「発言権と公正な処遇」
UWOTC-CWAに参加するシニアソフトウェアエンジニアのデイミアン・ウィルソン氏は、組合結成の理由について次のように語った。
「ウィザーズで我々が求めているのは、レイオフへの発言権、上下関係の責任の明確化、そして生活できる賃金だ。希望を持ちつつも、その必要性を冷静に見つめ直す時でもある」
開発者らは主に以下の課題を指摘している。
- レイオフとリモートワークの保護:2023年のハズブロ大規模レイオフ(約2,000人)を受け、従業員の不安が高まっている。
- AI活用のガイドライン強化:生成AIの導入に関する透明性と倫理的基準の確立。
- 過度な残業(クランチタイム)の防止:開発現場の過重労働への懸念。
- 職場の透明性と公平性の向上:意思決定プロセスの明確化と差別の是正。
「これはウィザーズだけの問題ではない。多くの米国企業が同じ構造的な課題を抱えている。労働組合は我々の技術を守るための重要な歯止めとなる」
— デイミアン・ウィルソン氏
業界全体に広がる組合結成の動き
CWAは近年、ゲーム業界における組合結成を積極的に支援しており、ブリザードやid Software、インディーゲームスタジオハートマシンなどの従業員も参加している。CWAの「CODE(Campaign to Organize Digital Employees)」によると、これまでに4,000人以上のデジタル従業員が組合に加盟しているという。
CWA地区7支部長のスージー・マコーリスター氏は次のように述べた。
「あらゆる労働者に、安定した雇用、公正な報酬、そして意思決定への参加権が保障されるべきだ」
出典:
Engadget