ミシガン州イプシランティ郡区は、核兵器研究を目的とした大規模データセンターへの水供給を一時的に停止する方針を決定した。同郡区の郡区委員会は11月、超大規模データセンターへの水供給を1年間停止する条例を可決し、その影響を調査することを発表した。

このデータセンターは、同郡区内のハイドロパークに建設が計画されている総額12億ドル、22万平方フィートの施設で、ロスアラモス国立研究所(LANL)が1,500マイル離れた場所から核兵器研究に利用する予定となっている。同研究所は、2024年2月にミシガン大学のスティーブン・セシオ教授が地元メディアに対し、年間50万ガロンの水を消費する見込みだと明らかにしていた。

地元自治体が水供給停止の背景

イプシランティ・コミュニティ・ユーティリティーズ・オーソリティ(YCUA)は、データセンターやAIコンピューティング施設への水供給を停止する条例を提案。米国水道協会の報告書を引用し、こうした施設が「水道・下水道事業にとって高影響顧客である」と指摘した。YCUAは、12か月にわたるモラトリアム期間中、水供給に関する長期的な分析と環境持続可能性の調査を実施するとしている。

同条例は、YCUAが「容量予約契約の締結を控える」期間としても機能する。これは、データセンターの建設に反対する郡区当局の戦略的な遅延策と見られている。

地元住民の懸念と安全保障上のリスク

この計画に対し、地元住民からは強い反対の声が上がっている。公園用地を核兵器研究施設に転用することへの倫理的・道徳的な懸念に加え、戦争の標的となるリスクへの不安も広がっている。先月には、郡区の弁護士ダグラス・ウィンターズ氏が郡区委員会に対し、データセンターを収容する建物がイプシランティ郡区を「高価値目標」に変える可能性があると警告。イランによる湾岸データセンターへの爆撃事例を引き合いに出し、安全保障上のリスクを強調した。

国の核開発と研究所の主張

米国は現在、新たな核軍拡競争の時代に突入しており、イプシランティ郡区はその一端を担う存在となっている。米国防総省は核科学者に対し、新型核兵器の設計を求めており、トランプ政権の2027年度予算案では、核弾頭の新型コア製造予算がほぼ倍増されている。

これに対し、ミシガン大学はデータセンターが「核兵器を製造するものではない」と主張。ロスアラモス国立研究所の任務は「核実験を行うことなく、既存の核兵器の安全性と信頼性を確保するための先進的な計算を実施すること」であり、データセンターはそのための重要なツールであるとしている。

出典: 404 Media