暗号資産(暗号通貨)市場全体の時価総額が4月に3,000億ドル(15%上昇)に拡大する中、ミームコインも過去1ヶ月で20%近く上昇し、時価総額が340億ドルに達した。しかし、専門家らはこの上昇が「業界の健全性を過大評価している」と警鐘を鳴らす。
CEX.IOのリードアナリスト、イリア・オティチェンコ氏は、ミームコイン市場の上昇は「リスクセンチメントの改善、オンチェーン取引の活発化、特定の大型トークンの急騰」に支えられていると分析。その一方で、成長の大半が少数の急成長トークンに偏っており、実態を反映していないと指摘する。
ミームコインとは?
ミームコインは、ユーモアやインターネット文化を基にした投機的なトークンで、実用価値を持たない。2024年の米大統領選挙では、リスのキャラクター「ピーナッツ」がMAGAシンボルとして注目を集め、ミームコイン化した。時価総額・取引高でトップのドージコインは、2021年のピークから87%下落しており、CoinMarketCapでミームコインに分類されるほとんどのトークンが、直近1週間で下落している。
今週の上位10銘柄で二桁上昇を記録しているミームコイン
- MemeCore
- Pudgy Penguins
- SPX6900
トランプ勝利後のミームコインブームは一時的なものに
2024年11月のトランプ大統領当選後、ミームコイン市場は活況を呈した。トランプ氏とその妻、そして就任式で祝辞を述べた牧師までもがミームコインを発行。しかし、2025年初頭の一連のスキャンダルを経て、市場の勢いは失速した。過去1年の間に一時的な活況はあったものの、ミームコイン市場全体の時価総額は下落基調が続いている。
専門家らの慎重な見方
オティチェンコ氏は、マクロ経済のセンチメントや分散型取引の活発化が続く限り、ミームコインは相対的な強さを維持する可能性があると指摘。その一方で、「利益が一部の銘柄に集中し続けるか、投機熱が冷めれば、業界の一部は急反落に見舞われる可能性がある」と警告する。
BlockSpaceForceの戦略担当副社長、チャールズ・チョン氏も同様の見方を示し、現在の上昇は「新たな信頼を示すものではなく、投機家たちの切望の表れ」と指摘する。チョン氏は「ミュージカルチェアのような投機ゲームが繰り返されているだけで、音楽が止まればすぐに崩壊する」と表現する。
回復の兆しはあるのか?
専門家の見方は依然として慎重ながら、明るい兆しも見られる。米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は3月、トークンの分類基準を発表。デジタル商品、コレクティブル、ツール、ステーブルコイン、証券の5つに分類し、ミームコインはコレクティブルに位置付けられた。この枠組みにより、資産の用途(アクセス、資金調達、投機)の線引きが明確化され、規制当局が市場の曖昧な境界を整理する動きが進んでいる。
同時に、ミームコイン関連の新たなETF(上場投資信託)の申請も増加しており、ミームコインがより主流の投資対象に近づきつつある。