モルガン・スタンレーのビットコイン現物ETF、9日間で1億3900万ドル超の資産を獲得

米大手投資銀行モルガン・スタンレーは、提供を開始したビットコイン現物ETF「MSBT」が、取引開始からわずか9日間で1億3900万ドル(約140億円)を超えるビットコイン資産を獲得したと発表した。この急速な資産増加は、規制されたビットコイン投資への機関投資家の関心の高まりを示すものだ。

ブロックチェーン分析会社アルクハム・インテリジェンスのデータによると、MSBTは開始初日に約3060万ドルの純流入を記録し、取引高は3400万ドルに達した。これは、同行の富裕層向け資産運用ネットワークからの需要を示す早期シグナルと捉えられる。MSBTの手数料は年率0.14%と、既存の多くのETFよりも低く設定されており、業界全体のコスト低下傾向を反映している。

ビットコインETF市場の拡大とモルガン・スタンレーの影響力

米国で最初のビットコイン現物ETFが2024年初頭に承認されて以来、資産運用会社は規制されたビットコイン投資へのアクセスを求める機関投資家や個人投資家からの資金獲得をめぐり激しい競争を繰り広げてきた。

現物ビットコインETFは、投資家がビットコインを直接保有することなく価格変動に連動した投資が可能な仕組みだ。これにより、自己管理や秘密鍵管理の必要がなくなり、金融アドバイザーや年金基金、厳格なコンプライアンス体制を敷く資産運用プラットフォームにとって魅力的な選択肢となっている。その結果、強力な販売網を持つ企業が資産獲得で優位に立っている。

モルガン・スタンレーは米国最大級の富裕層向け資産運用会社の一つであり、数千人のアドバイザーと数兆ドル規模の顧客資産を有している。同社の参入は、ビットコインETF市場に大きな影響を与えると期待されている。

最大1600億ドルの需要創出の可能性

ビットコイン・ストラテジー社のCEOであるフォン・レ氏は、モルガン・スタンレーのビットコインETFが、控えめなポートフォリオ配分シナリオの下で最大1600億ドルの需要を引き出す可能性があると指摘する。

「モルガン・スタンレーの富裕層向け資産運用部門は約8兆ドルの運用資産を有しており、0〜4%のビットコイン配分を推奨しています。2%の配分であれば1600億ドルに相当し、これはブラックロックのIBITの約3倍の規模です。MSBTはまさに『モンスター級のビットコインETF』です」

同氏はX(旧Twitter)上でこのように述べ、モルガン・スタンレーの8兆ドル規模の資産運用ネットワークに2%のビットコイン配分が実現すれば、既存のETFをはるかに上回る規模の資金がビットコイン市場に流入する可能性があると強調した。

ビットコインETFの今後の展望

モルガン・スタンレーの参入は、伝統的金融業界におけるデジタル資産への関心の高まりと、ビットコイン投資へのアプローチの変化を象徴している。規制された枠組みでのビットコイン投資が可能になったことで、これまで参入が難しかった機関投資家や一般投資家にとっても、より身近な投資対象となっている。

今後、モルガン・スタンレーのような大手金融機関がビットコインETF市場に参入することで、さらなる機関投資家の流入が期待される。また、手数料の低下や商品の多様化が進むことで、ビットコインETFはますます一般的な投資商品として定着していくだろう。