待望のV8搭載で復活したランドローバー・ディフェンダー110

ランドローバー・ディフェンダーの米国再上陸は、ファンにとって波乱万丈の歴史を刻んだ。20年以上ぶりの米国市場復帰は大きな注目を集めたが、当初は直列エンジンのみのラインナップに失望が広がった。しかし、ランドローバーはすぐにその不満に応え、V8エンジンを搭載したモデルを投入。その中でも、5.0LスーパーチャージャーV8を搭載した「V8」と、4.4Lターボを搭載した「Octa」の2種類が用意されている。

実走行で明らかになった実力と課題

筆者が試乗したのは、2025年モデルの110 V8。全長が中程度の110インチホイールベースを採用したこのモデルは、ランドローバーにとって新たな可能性を示す存在となった。しかし、その実力は期待と現実の狭間で揺れ動く。

V8エンジンのパフォーマンス:トルクとサウンドの圧倒的存在感

「Defender 110 V8」という名称が示す通り、このモデルの核心はV8エンジンにある。461lb-ft(約625Nm)のトルクを2,500rpmから発揮し、8,200ポンド(約3.7トン)の牽引能力を誇る。これは、他の大型トラックと比較すると控えめな数値だが、ランドローバーの伝統的な走りと組み合わせることで、実用性と存在感のバランスを演出している。

そして、何よりも目を引くのがそのサウンドだ。4本出しのエグゾーストシステムが奏でる迫力のエンジン音は、NASCARのような迫力を感じさせる。G63のサイドエグゾーストとは異なり、品のあるデザインながらも、その存在感は圧倒的だ。

操作性と実用性:重量とサイズがもたらすジレンマ

ランドローバー・ディフェンダーの特徴である直立したグリーンカウスと高いシート位置は、市街地での運転や駐車時に優れた視界を提供する。しかし、その一方で、車両重量は約2.5トン、ホイールベースは120インチに達し、その重厚感はあらゆるシーンで感じられる。特に、狭いスペースでの取り回しや、高速道路での加速時には、その重量が足かせとなることも少なくない。

2025年モデルと2026年モデルの違い:仕様の変化

2025年モデルと2026年モデルの主な違いは、パッケージオプションの有無にある。ランドローバーは、2026年モデルにおいて、カラー選択肢を「ホワイト」「ブラック」「グレー」の3色に限定。まるでミレニアル世代向けのスキットルズのようなカラーバリエーションとなっている。そのため、写真で見かけるブラウンの110は、実際には2026年以降のモデルでは選択できない可能性が高い。

ランドローバー・ディフェンダー110 V8の総評:必要以上の存在感、しかし物足りなさも

ランドローバー・ディフェンダー110 V8は、そのV8エンジンがもたらすトルクとサウンドによって、存在感を放つモデルとなった。しかし、その一方で、その重量とサイズは操作性に影響を与え、実用性とのバランスに課題を残している。ランドローバーの伝統と革新が融合したこのモデルは、まさに「必要以上だが、なぜか物足りない」存在と言えるだろう。

「V8」という名称が示す通り、このモデルはトルクとサウンドの圧倒的な存在感を提供する。しかし、その重厚感は時に操作性の妨げとなり、実用性とのバランスに課題を残す。

出典: The Drive