PFAS汚染、乳児用粉ミルクで未解決の課題

米国食品医薬品局(FDA)は、乳児用粉ミルクに含まれるPFAS(ペルフルオロアルキル・ポリフルオロアルキル物質)の汚染問題に対し、改めて警鐘を鳴らした。PFASは、耐熱性や耐水性に優れた化学物質で、かつて食品包装や調理器具に広く使用されていたが、現在は環境汚染物質として知られている。

同局の調査により、一部の乳児用粉ミルクブランドで、安全基準値を超えるPFASが検出されたことが明らかになった。乳児は免疫システムが未発達なため、PFASの影響を特に受けやすく、長期的な健康リスクが懸念されている。

FDAの対応と業界への圧力

FDAは、乳児用粉ミルクメーカーに対し、原材料の厳格な管理と製造工程の見直しを求めている。また、汚染が確認された製品の回収や代替原料の使用を促す方針だ。しかし、業界団体からは「コスト増加につながる」との反発もあり、規制強化には時間がかかる見通しだ。

専門家らは、PFASの完全な除去は困難であるとしつつも、製造工程の改善や代替原料の導入により、汚染リスクを最小限に抑えることが可能だと指摘する。特に、水源や原乳の段階からの管理が重要視されている。

乳児の健康リスクと今後の展望

PFASは、発がん性や免疫機能への悪影響が指摘されており、乳児への長期的な曝露は深刻な健康被害を引き起こす可能性がある。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、PFASは体内に蓄積しやすく、その半減期は数年から数十年とされる。

FDAは、今後数か月以内に乳児用粉ミルクのPFAS基準値を新たに設定する方針で、業界に対し自主的な削減を呼びかけている。しかし、消費者団体からは「規制が不十分」との批判も上がっており、さらなる法整備が求められている。

「乳児の安全を最優先に、PFAS汚染の実態を早急に解明し、実効性のある対策を講じるべきだ」
— 米国小児科学会(AAP)幹部

消費者へのアドバイス

乳児用粉ミルクを使用する保護者に対し、以下の点に注意するよう呼びかけられている。

  • ブランド選び: PFAS検査結果が公表されているメーカーを優先する。
  • 調乳方法: 粉ミルクを沸騰させた水で溶かすことで、一部のPFASを除去できる可能性がある。
  • 代替品の検討: 母乳育児が可能な場合は、母乳を優先する。また、有機認証を受けた粉ミルクの利用も検討する。
  • 情報収集: FDAや消費者団体から発信される最新情報を随時確認する。

まとめ

PFAS汚染は、乳児用粉ミルク業界にとって依然として大きな課題だ。FDAをはじめとする関係機関は、規制強化と業界の自主的な取り組みを通じて、乳児の健康を守るための対策を進めている。しかし、完全な解決には時間を要するとみられ、消費者側の注意深い対応が求められている。

出典: STAT News