米国議会の共和党議員らは10月10日、国土安全保障省(DHS)の予算案を可決し、76日間にわたる同省の政府閉鎖を終結させた。同法案は下院で全会一致の口頭投票により承認され、民主党にとっての勝利となった。法案にはICE(移民税関執行局)や国境警備隊への資金提供が含まれておらず、現在、大統領の署名を経て法制化される見込みだ。
下院議長のマイク・ジョンソン氏は同日、党内指導部との非公開会議で、同法案への支持を最終的に表明した。会議では「このままでは状況が悪化する一方」との認識が共有されたとされる。共和党は今後、調整手続き(reconciliation)を通じてICEへの資金提供を目指す方針だが、こちらは成立までに時間を要し、両院で単純過半数のみで可決可能な手続きとなる。
これまで、上院共和党議員が同法案を口頭投票で可決した際には、議員個人の賛否が記録されなかったことが批判されていた。しかし、下院共和党も今回、同じ手法を採用したため、保守派からは反発の声が上がった。下院議員のチップ・ロイ氏は「政府への資金提供をこんな方法で行うのは愚かだ」と批判したが、クレイ・ヒギンズ議員は「議長は状況下で適切に対応した」と述べた。
DHSのマークウェイン・マリン長官は先週、同省の資金が枯渇しつつあり、まもなく職員への給与支払いが困難になると警告していた。今回の法案が大統領によって署名されれば、職員への給与支払いは維持される見通しだ。しかし、ICEの将来については依然不透明な状況が続く。民主党は同機関の改革を求めており、中には廃止を主張する議員もいる。一方、共和党はICEが米国の都市で引き起こす暴力行為を容認しているとの見方も示されている。当面、ICEへの追加資金は見込まれていない。