トランプ氏、100億ドル訴訟の和解で新たな「税金略奪」工作を展開

トランプ前大統領が米国歳入庁(IRS)を利用し、100億ドル(約1.5兆円)に及ぶ「税金略奪」工作を行っていたことが明らかになった。同氏は2024年の大統領選で再選された直後、自身の納税申告書が外部業者によって漏洩されたとして、IRSに対し100億ドルの損害賠償を求める訴訟を提起していた。

17億ドル基金の創設が和解条件に

複数のメディアによると、この訴訟は現在、17億ドル(約2,500億円)の基金創設を条件とした和解に向けて最終調整が進められている。ABCニュースが報じたところによれば、この基金は「バイデン政権によって不当に標的とされた allies への補償」を目的としているという。しかし、その運用方法には極めて恣意的な仕組みが組み込まれている。

トランプ氏の意のままに動く基金運用委員会

基金の運用を監督する委員会は、トランプ氏の意向でいつでも解任できるメンバーで構成される。また、委員会は意思決定プロセスの公開義務を負わず、誰にいくら支払うかの判断は完全に非公開で行われる。さらに、トランプ氏本人は直接支払いを受けられないものの、「トランプ関連団体」による追加請求は明確に禁止されていない。

「税金略奪」の実態:恣意的な基金運用の仕組み

この基金の創設は、トランプ氏による「 presidential graft(大統領の汚職)」の一形態と指摘されている。基金の運用委員会はトランプ氏の「お気に入り」メンバーで構成され、委員会の解任権はトランプ氏に一任される。また、委員会は支払いの根拠やプロセスを一切公開する必要がないため、恣意的な運用が可能となっている。

100億ドルの損害賠償請求の矛盾点

そもそも、トランプ氏が100億ドルの損害賠償を求めた訴訟自体が、極めて不合理な内容だった。納税申告書の漏洩は外部業者(チャールズ・リトルジョン)による犯行であり、IRSは一切関与していない。リトルジョンは既に逮捕され、5年の実刑判決を受けている。にもかかわらず、トランプ氏はIRSを相手取り、巨額の損害賠償を請求していたのだ。

IRSとの利益相反問題

さらに深刻なのは、IRSが他の同様の訴訟で「業者の不正行為に責任はない」と主張していた事実との矛盾だ。財務長官のスコット・ベッセント氏はトランプ氏の側近であり、IRSがトランプ氏の利益を優先することは明らかな利益相反問題を引き起こす。専門家らは、この和解が成立すれば、トランプ氏による「税金の私物化」が公然と行われることになると警鐘を鳴らしている。

今後の展開と政治的影響

現在のところ、和解はまだ最終決定には至っていないものの、関係者によると「数週間以内に合意に達する可能性が高い」という。この基金の創設が実現すれば、トランプ氏の政権運営における「汚職の常態化」がさらに加速することが懸念される。また、民主党や市民団体からは「憲法違反の疑いがある」との批判が相次いでいる。

専門家の見解

「この基金は、トランプ氏による『報復政治』の象徴だ。税金を使って自分の支持者に報いる仕組みは、民主主義の根幹を揺るがす行為だ」
マイケル・ムーア(憲法学者)