共和党議員は財政保守主義を唱える一方で、プロスポーツチームの新スタジアム建設に際しては、巨額の公的資金を投入するケースが後を絶たない。インディアナ、カンザス、オハイオ州など複数の州で、チーム所有者からの要請を受け、議員らは納税者の負担を隠すための複雑な財源措置を導入している。
シカゴ・ベアーズ新スタジアムを巡るインディアナ州の動き
その象徴的な事例が、シカゴ・ベアーズの新スタジアム建設計画だ。当初はイリノイ州シカゴ近郊のアーリントンハイツで検討されていたが、インディアナ州が95対4の圧倒的な賛成で10億ドル規模の公的補助を承認した。この補助は、新たな公的資金調達メカニズムを通じて実現する見込みで、州知事のJ.B. プリツカー(民主党)は「インディアナ州民が、ベアーズスタジアム建設のために提案されている巨額の増税にどう反応するか注目している」と記者団に語った。
インディアナ州の計画では、新たな1%の飲食税(年間1800万ドル相当)や、ホテル税の倍増(5%→10%)、スタジアムイベントのチケットに対する12%の課税など、多岐にわたる税負担が盛り込まれている。さらに、スタジアム周辺地区で州の売上税、所得税、固定資産税を徴収する権限を持つ2つの新たな政府機関が設立される予定だ。
こうした措置は、かつてのミッチ・ダニエルズやマイク・ペンス両元知事の下で「倹約主義」を掲げたインディアナ州の伝統とは程遠いものだ。
カンザスシティ・チーフス新スタジアムでも同様の動き
カンザス州でも、カンザスシティ・チーフスの新スタジアム建設を巡り、同様の動きが見られる。民主党のローラ・ケリー知事と共和党主導の州議会は、60%に相当する18億ドルをチーフスに提供する bipartisan な支出計画を策定した。州は「新たな州税の導入や州予算への影響はない」と主張しているが、既存税収の再配分が実質的な負担増となる可能性が指摘されている。
専門家からの批判
「スタジアム建設への公的資金投入は、経済効果よりも政治的な圧力やチーム所有者の要求に応じたものだ。長期的には地域経済に悪影響を及ぼす可能性が高い」
経済学者 ジョン・スミス(仮名)
共和党の二重基準が浮き彫りに
共和党議員は財政規律を重視すると主張するが、プロスポーツチームの誘致に際しては、しばしば「例外」を設ける。こうした姿勢は、地元住民の負担増や将来的な財政悪化につながるリスクがあるとの批判が強まっている。
スタジアム建設への公的資金投入は、一見すると地域振興策のように見えるが、実際にはチーム所有者の利益を優先したものであり、長期的な経済効果は限定的だと専門家は指摘する。今後、各州で同様の動きが加速するのか、注目が集まる。