共和党幹部が12日、商務長官ハワード・ルトニック氏に対し、元所属企業カンター・フィッツジェラルドが支援する暗号資産系PAC「フェローシップPAC」がテキサス州の共和党予備選挙決選投票でケン・パクストン司法長官を支援する意向をFEC(連邦選挙管理委員会)に届け出たことを受け、撤回を要請していたことが関係者への取材で明らかになった。

背景と経緯

フェローシップPACは、カンター・フィッツジェラルドの元CEOだったルトニック氏が昨年退任後に設立された団体で、同社から1000万ドルの資金提供を受けている。同PACはFEC書類にテキサス州での選挙運動広告費として175万ドルを計上していたが、複数の関係者によると、実際には広告は放映されていなかったという。

共和党幹部は、トランプ前大統領がパクストンと上院議員ジョン・コーニンのいずれを支援するか態度を明確にしていない中、同PACの動きが党内の分裂を招く可能性があると懸念。ルトニック氏の息子が現在カンター・フィッツジェラルドを経営しているが、共和党幹部はルトニック商務長官に対し、この「政治的失策」の撤回を求めた。

共和党内の反応

同PACの動きに対し、共和党上院全国委員会(NRSC)は強く批判。同委員会の広報担当ジョアンナ・ロドリゲス氏は声明で、「2位で終わった候補者を支援し、民主党に上院議席を渡すリスクを冒すとは、純粋な政治的無策だ」と述べた。

また、トランプ前大統領の元選挙対策本部長で、コーニン上院議員を支援するPACの主要人物であるクリス・ラシヴァはSNS上で、「これは賢明な動きではなかった」と公に批判した。

その後の展開

13日正午までに、共和党幹部はフェローシップPACがパクストン氏支援の広告を放映していないこと、また放映予定もないことを確認。関係者3人の証言と、メディアトラッカーのデータ(AdImpact)によって裏付けられた。フェローシップPACと広告代理店Nxumは、いずれも今期の選挙運動広告を放映していないという。

フェローシップPACのジェシー・スピロ議長とテザー社の政府関係部門責任者はコメント要請に応じなかった。

暗号資産業界の選挙資金動向

暗号資産業界は2024年選挙で1億2000万ドルから1億3000万ドルを投じ、主に民主党候補の敗北に貢献した。特にフェアシェイクPAC(コインベース、リップル、アンドリーセン・ホロウィッツが支援)は2026年選挙に向け2億ドル近くを保有している。

フェローシップPACは2026年選挙に向け1億ドルの調達を目指していたが、4月中旬までに1100万ドル(うち1000万ドルがカンター・フィッツジェラルド、100万ドルが暗号資産インフラ企業アンカー・ラボから)を調達したと報告していた。

出典: Axios