米株式市場は13日、主要指数が軒並み上昇し、史上最高値を更新する勢いとなった。原油価格が10%以上急落した要因は、イランがペルシャ湾から世界各国への原油輸送ルートであるホルムズ海峡の商業航路を再開すると発表したことによる。
ニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は前日比1,130ドル(2.3%)高の49,900ドル台、ナスダック総合指数は1.7%上昇。S&P500も1.5%上昇し、3週連続で大幅上昇を記録。これはハロウィーン以来の連続上昇となった。
原油価格の下落は、ガソリンだけでなく食料品や物流コストの低下にもつながる可能性があり、長期的にはクレジットカード金利や住宅ローン金利の軽減にも寄与すると期待されている。
原油相場の急落と市場の反応
イランの外務大臣アッバス・アラグチ氏はX(旧Twitter)上で、停戦合意が続く中、ホルムズ海峡における全ての商業船の通航が完全に解放されたと発表。これを受け、米国の代表的な原油指標WTIは12.2%下落し、1バレル83.18ドルで取引を終えた。国際指標であるブレント原油も10.4%下落し、89.01ドルとなった。
ただし、戦争前の水準(70ドル前後)と比較すると依然高く、市場には慎重な見方が残っている。戦争勃発以降、楽観的な見通しが一転して不安が広がるケースが度々見られ、株式や債券、原油などあらゆる資産の価格が乱高下する状況が続いている。
トランプ大統領の発言と海軍の動向
アラグチ氏の発表から数分後、トランプ前大統領は自身のSNSで、米海軍によるイラン港湾の封鎖は、戦争当事者間の合意が成立するまで「完全に維持される」と表明。その一方で「交渉の大部分は既にまとまっており、非常に早く進展するだろう」と述べ、全て大文字で強調した。
企業株に恩恵、航空・クルーズ業界が急騰
原油価格の下落は、燃料コストが大きな負担となる企業にとって朗報となった。ユナイテッド航空は9.2%上昇。国際エネルギー機関(IEA)のトップは12日、欧州のジェット燃料備蓄が「残り6週間程度」との見通しを示していた。燃料消費量の多いクルーズ船運航会社も株価が上昇。ノルウェージャン・クルーズラインは8.1%高、ロイヤル・カリビアン・グループは10.3%高となった。
また、原油価格下落によるインフレ圧力の緩和は、住宅関連や自動車関連企業にも追い風となった。高インフレが経済に与える悪影響が和らげば、消費者の負担軽減につながる可能性がある。
今後の見通しとリスク要因
ホルムズ海峡の再開が一時的なものに過ぎない可能性もあり、市場関係者は慎重な姿勢を崩していない。しかし、米国とイランの戦争終結に向けた動きが進展している兆しは、世界経済の不確実性を和らげるものとして評価されている。
トランプ前大統領は「戦争はすぐに終わるはずだ」と述べており、今後の交渉次第ではさらなる市場の安定化が期待される。一方で、停戦合意が崩れるリスクや、地政学的な緊張が再燃する可能性も否定できない。