米国防総省が、イラン戦争への支援を拒否したNATO加盟国に対し、スペインの除名や英国のフォークランド諸島領有権見直しなどの「報復措置」を検討していたことが明らかになった。

ロイター通信によると、米政府高官の話として、米国防総省の内部メールにこれらの措置が記載されていたという。同メールでは、米国の基地・領空使用権を「NATOの最低基準」と位置付け、加盟国がこれを拒否した場合の対応が検討されていた。

スペイン除名や英国のフォークランド諸島問題も

具体的な措置としては、スペインのNATO除名や英国のフォークランド諸島領有権の見直しが挙げられている。米国は、イラン戦争への支援を拒否したNATO加盟国に対し、これらの措置を通じて「報復」を検討していたとされる。

NATO加盟国からの反発必至

しかし、これらの措置はNATO加盟国からの強い反発を招く可能性が高い。NATOの正式な加盟国除名に関する規定は存在せず、同盟国の一人がこれを提案しても、他の加盟国からの支持は得られないとみられている。

「NATO設立条約には、加盟国の除名に関する規定は存在しない」
(NATO高官)

ペンタゴン報道官の見解

ペンタゴンのキングスリー・ウィルソン報道官は、この内部メールについて「トランプ大統領は、米国がNATO加盟国に尽くしたにもかかわらず、支援を拒否されたと発言している」と述べた。また、「国防総省は、大統領に対し、同盟国が紙 tiger(見せかけの強さ)ではなく、責任を果たすよう確実にするための信頼できる選択肢を提供する」とコメントした。

トランプ氏のNATO批判の歴史

トランプ氏は、イラン戦争以前からNATOを繰り返し批判しており、グリーンランド「獲得」の希望を拒否されたことなどを理由に、同盟からの離脱を示唆していた。最近では、ホルムズ海峡の再開に加盟国が協力しないことにも不満を表明。4月1日にはロイター通信に対し、「疑いなくNATOからの離脱を検討している」と発言した。

法的・政治的ハードルも

しかし、NATOからの離脱には議会の承認が必要であり、トランプ氏が議会を迂回して外交政策の大統領権限を行使しようとすれば、法的な問題に直面する可能性が高い。また、同盟国に対する報復措置は、国内外からの反発を招く恐れがある。

それでも、トランプ氏は長年の同盟関係を軽視しており、自身が軽視されたと感じれば、同盟を破壊する可能性も否定できない。