米国防総省は、これまで機密扱いだったUFO(未確認異常現象・UAP)に関する文書162点を、一般公開した。文書は写真、目撃証言、未解決事案の記録などで構成され、誰でもオンラインで閲覧できる。

公開された文書は、米国防総省のウェブサイトに新設された「UAP公開文書」タブからアクセス可能。2025年2月に発令された大統領令に基づき、透明性向上を目指した措置だ。防衛総省はX(旧Twitter)で「米国民はUAPに関する機密解除文書に即時アクセスできる。米国政府全体の最新ビデオ、写真、一次資料が一箇所に集約されており、閲覧に特別な許可は不要」と発表した。

また、防衛総省は「過去の政権は文書を非公開にし、米国民を混乱させる情報を抑制しようとしたが、トランプ政権は最大限の透明性を確保し、米国民自身が情報を判断できるようにする」と主張。今後も新たな文書が順次追加されるとしている。

UFOへの関心が高まる背景

近年、UFOへの関心が急速に高まっている。その背景には、ソーシャルメディアの普及がある。個人の目撃情報が動画や写真で拡散され、瞬時に世界中で共有されるようになった。また、UFOをテーマにしたドキュメンタリー映画の増加も影響している。米国では、エイリアンの存在を信じる人の割合が年々増加しており、2025年の調査では56%が存在を信じ、47%が地球への来訪を示唆している(2012年は36%)。

文書に含まれる内容

公開された文書には、写真、目撃証言、未解決事案の記録が含まれる。未解決事案とは、政府が観測された現象の性質を「最終的に特定できなかった」事案を指す。例えば、アポロ17号の乗組員が「明るい粒子」について言及した会話記録や、1950年代にさかのぼる目撃情報などが含まれる。

専門家が指摘する「現実」

しかし、エイリアンへの期待を高めるべきではないと専門家は警鐘を鳴らす。米国防総省の異常現象解決室(AARO)を2023年まで率いたショーン・カークパトリック元諜報将校はAP通信の取材に対し、「エイリアンが来訪した証拠となる写真やインタビューが掲載された文書は存在しない」と明言した。

「エイリアンが地球に来たという写真やインタビューが載った文書は存在しない。そのような文書は存在しないのだ」
— ショーン・カークパトリック(元AARO長官)