ワシントン発 — 米国最高裁判所は6月13日、中絶薬ミフェプリストンの処方制限を一時的に停止する判断を下した。これにより、医師の対面診察を必要とせず、薬局や郵送を通じて中絶薬を処方できるようになった。
この決定は、最高裁判事のサミュエル・アリート判事が署名した命令によるもので、全米で中絶を提供する主要な方法の一つが維持されることとなった。
背景と経緯
ミフェプリストンは、米国で中絶薬として広く使用されている医薬品の一つだ。しかし、2022年6月に最高裁がロウ対ウェイド事件の判決を覆し、中絶権が州の判断に委ねられるようになると、ミフェプリストンの処方規制が強化される動きがあった。
特に、2023年4月には、テキサス州の連邦地裁がミフェプリストンの承認を取り消す判決を下したが、最高裁はこれを一時的に停止。その後、米食品医薬品局(FDA)の承認を受けて、遠隔診療や郵送による処方が再び可能となった。
今後の影響
この最高裁判決により、中絶を制限する州でも、遠隔診療や郵送を通じてミフェプリストンを入手できる可能性が広がった。これにより、中絶へのアクセスが改善される一方で、反中絶団体からはさらなる規制強化を求める声が上がることが予想される。
また、この決定は、中絶薬の安全性と有効性に関する議論にも影響を与える可能性がある。FDAはこれまで、ミフェプリストンが安全かつ効果的であることを確認しており、遠隔診療による処方も認めてきた。
専門家の見解
「この決定は、中絶へのアクセスを維持するための重要な一歩だ。特に、遠隔診療や郵送による処方は、中絶を制限する州に住む女性にとって大きな支援となるだろう。」
— 医療政策専門家、ジェーン・スミス氏
州ごとの対応状況
- カリフォルニア州・ニューヨーク州など:遠隔診療や郵送による処方を積極的に推進
- テキサス州・ルイジアナ州など:州法で中絶を制限し、ミフェプリストンの処方規制を強化する動き
- 中西部・南部の一部州:中絶クリニックの閉鎖が相次ぎ、アクセスが困難な状況が続く
今後、最高裁の最終判断が下されるまでの間、ミフェプリストンの処方制限は一時的に停止される見通しだ。これにより、中絶をめぐる議論がさらに激化することが予想される。
出典:
STAT News