米最高裁判所の内部文書がニューヨーク・タイムズによってリークされた。これは、2016年の重要な判決に関する最高裁判事間の機密メモであり、通常の審理手続きを経ずに「影の判決」(shadow docket)として処理された案件に関するものだ。

最高裁の判断が正式な審理や口頭弁論なしに行われる「影の判決」は、これまで透明性の欠如が指摘されてきた。リークされたメモには、判事同士が形式的な公文書に署名しながらも、互いの名前で呼び合い、イニシャルで締めくくる様子が記されており、厳格な議論が行われていない実態が浮き彫りになった。

ニューヨーク・タイムズのJodi Kantor記者とAdam Liptak記者は、このリークについて次のように分析している。

「彼らはイライラを募らせ、不満を口にし、時間を求める。通常の法廷資料に加え、ブログ記事やテレビインタビューの内容まで引用する。時には互いの主張に応じるが、しばしば議論はすれ違いに終わる。リークされたメモは、影の判決の根幹にある問題、すなわち厳格な議論の欠如を浮き彫りにした」

このリークは、重要な法的判断が行われた際に、最高裁がその根拠を示す文書を公表しないことへの批判を再燃させた。専門家らは、リークされたメモを新聞で読まなければ判断の理由が理解できない現状に警鐘を鳴らしている。

今年の退任はなし、アルイト判事とトーマス判事

一方、CBSニュースのベテラン最高裁担当記者Jan Crawford Greenburg氏は、アルイト判事とトーマス判事が今年退任する予定はないと報じた。同氏は2007年に出版された著書「Supreme Conflict: The Inside Story of the Struggle for Control of the United States Supreme Court」で知られる信頼性の高い情報源であり、その報道は高い信頼性を持つとされる。

アルイト判事(75歳)は2006年に最高裁に就任しており、20年以上にわたり判事を務めている。専門家らは、アルイト判事の健康状態が安定していれば、今後も長期にわたり職務を続ける可能性が高いと指摘する。例えば、2018年に退任したケネディ判事は30年以上務めていたが、アルイト判事はそれよりも短い在任期間だ。

出典: Reason